アンティークチェア大全!椅子の種類からお手入れ方法まで徹底解説

アンティーク全般

アンティークチェア大全!椅子の種類からお手入れ方法まで徹底解説

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インテリア作りを考えるとき、一番手をつけやすいのがチェアではないでしょうか。アンティーク家具を取り入れたおしゃれなお部屋作りの第一歩も、手頃なチェアから始めるとスムーズです。
でも、アンティークの椅子には本当に様々なデザインがあって、自分の家に合うのはどんな椅子なのか、選択肢の広さゆえに困ってしまうこともありますよね。さらに、まだまだ自分が知らないデザインの椅子もあるのではないか、なんて思っている方もいらっしゃるのでは?
そこでこの記事では、たくさんの種類があるアンティークチェアについて、なるべくわかりやすく整理してご紹介します。

まず1~3章では、アンティークチェアのデザインの傾向を作られた国や地域別にご紹介。4章では、ダイニングチェアやアームチェアなど、使用用途に応じた機能ごとに分類しています。続く5章では、椅子の素材に注目。それぞれの視点から、アンティークチェアの世界に迫っていきますよ!
また、6章ではアンティークの椅子を購入する際に知っておきたい情報、7章では気になるお手入れ方法をご紹介しますので、気になる方は目次から該当部分に進んで読んでみてくださいね。

アンティーク家具初心者の方も、そうでない方も、この記事を読んでアンティークチェアのある暮らしを楽しんでいただけたらうれしいです!

Contents

アンティークの本場。イギリス・フランス製の様々なデザインの椅子

アンティークチェアの一番人気といえば、やっぱりイギリスやフランスなどのヨーロッパアンティーク。西洋ならではの優雅なデザインのアンティークの椅子を、ひとつずつご紹介しましょう。

優美な猫脚(カブリオールレッグ)が魅力的なアンティークのサロンチェア

アンティーク サロンチェア

サロンや応接間、客間などで使われていたアンティークのサロンチェア。お客様をおもてなしするため、豪華で華やかにデザインされているのが特徴です。とくに、優雅なS字を描く「カブリオールレッグ」のデザインは印象的で、多くの人を惹きつけてやまないデザイン要素のひとつとなっています。時代によって様々な形のサロンチェアが登場しましたが、どの椅子にもしっかりとエレガントな雰囲気が漂っているんですよ。

アンティーク チェア

サロンチェアのような格調高さのある椅子は、同じデザインでそろえなければならないと思う方も多いですよね。でも、決してそんなことはありません。このように、形も色味も全然違う椅子同士を合わせても、違和感は感じないどころか、よりおしゃれな印象を受けませんか?「一点もの」と言われるアンティークだからこそ、自分の感性にヒットしたものを選び出し、組み合わせることで、自分だけの特別な空間が作り出せるんです。ぜひ、自由にのびのびと、お好みのサロンチェアを選んで空間作りを楽しんでくださいね。

ここで、アンティークのサロンチェアの中でもよく見かける形を2つご紹介しておきましょう。

シンプルでありながらもフェミニンな椅子。アンティークのクイーンアンチェア

アンティーク クイーンアンチェア

18世紀のアン女王時代に登場したのが、こちらの「クイーンアン様式」のチェア。「ベースバック」と呼ばれる花瓶型の背板と、猫脚(カブリオールレッグ)が特徴で、比較的すっきりしたデザインの椅子です。

アンティーク 椅子 猫足

シンプルなので現代の住宅にも取り入れやすく、ヨーロッパアンティークの椅子のなかでも人気のあるデザインです。ダイニングチェアや書斎でのワークチェアとしても活躍してくれますよ。背もたれの上部のカーブがどことなくハートのモチーフを連想させ、さり気なくフェミニンな雰囲気も漂いますね。

気球のように膨らんだデザインが可愛らしい椅子。アンティークのバルーンバックチェア

アンティーク 猫脚 チェア

バルーンバックチェアは、19世紀のヴィクトリア女王様時代に生まれたデザイン。名前のとおり、気球(balloon)のようにふくらみのある背もたれが印象的です。サロンや客間をはじめ、ダイニングや寝室でも使われていたそうです。

アンティーク バルーンバックチェア

背もたれのデザインは、このように完全なバルーン型ではなく、少し変化が付けられたタイプもよく見かけます。また、脚のデザインも猫脚(カブリオール)だけではなく、こちらの画像のように挽き物加工が施されたものもありますよ。まさに置いておくだけで絵になるアンティークチェアなので、ご自宅の一角に、飾るように取り入れてみるのも良いですね。

猫脚だけじゃない!気品と厳格さが漂うアンティークチェアの脚のデザインに注目

イギリス・フランスのアンティークチェアの脚のデザインには、カブリオールレッグの他にも思わず目を引く繊細なデザインがたくさんあります。ここでは3つの種類をご紹介しましょう。

アンティークチェアを華やかに彩る。バーリーシュガーツイストレッグ

アンティーク 椅子 イギリス

まずは、ツイスト状のこちらのデザイン。見た目のとおりそのまま「ツイストレッグ」と呼ばれることもありますが、正式には「バーリーシュガーツイストレッグ」という名前が付いています。この名前の由来は、大麦(baerley)の糖分から作られたねじり飴からきているんだとか。おもに17世紀に流行し、ジャコビアン様式の特徴のひとつともされています。

アンティーク 椅子 脚

このツイストレッグと似たデザインで、「ボビンレッグ」と呼ばれるデザインもあります。画像の左がツイストレッグで、右がボビンレッグです。よく見ると、ボビンレッグはツイスト状ではなく、当時の糸巻きのような玉が連なる形になっていることがわかります。こちらもツイストレッグと同時期の17世紀にはすでに見られるデザインです。

アンティークチェアに威厳を添える。バルボスレッグ

アンティーク チェア イギリス

続いては、インパクトのあるこちらの脚。植物の球根(bulbous)の形に似ていることから「バルボス(ブルボーズ)レッグ」と呼ばれています。16~18世紀頃に流行したデザインですが、時代によって、バルボスが大きく派手なものから細くシンプルな形状まで様々です。アンティークの椅子の中では、上の画像のように大きくしっかりと彫り込まれているデザインは、比較的珍しいタイプ。

アンティーク チェア フランス

どちらかというと、よく見かけるバルボスレッグのチェアは、こちらのように比較的すっきりとしたタイプがほとんど。これならご自宅のお部屋にもさりげなく取り入れられそうですね。

すっきりとエレガントなアンティークチェアには、テイパードレッグ

アンティーク家具 チェア

最後は、こちらの「テイパードレッグ」。ファッション用語で「テーパードパンツ」という言葉があるように、足先に向かって次第に細くなっていくシルエットが特徴のすっきりとした形です。先にご紹介したような装飾性に富んだアンティークらしいデザインとは打って変わって、洗練された雰囲気が漂ってきますね。時代としては、18世紀以降、ヨーロッパにおける中国趣味(シノワズリ)の流行などを経て登場し、その後の時代のシンプルでモダンなデザインへとつながる起点ともなりました。

アンティーク 椅子 英国

このテイパードレッグは、ヨーロッパのアンティークチェアのなかでも、現代のお家に違和感なく取り入れやすいシンプルさが魅力です。アンティーク家具が初めてという方にも挑戦しやすいデザインなので、初心者の方はこのテイパードレッグの椅子から始めてみてはいかがでしょうか。

田舎の素朴な椅子。西洋アンティークのカントリーチェア

さて、ここまで優雅でクラシカルなイギリス・フランスのアンティークチェアについてお話ししてきましたが、今度は素朴なカントリーテイストのアンティークの椅子を見ていきましょう。代表的な3つのデザインのカントリーチェアをご紹介します。

今でも人気の定番デザイン。アンティークのウィンザーチェア

アンティーク 椅子 木

こちらは日本に住む私たちもよく目にする、馴染みのある椅子ではないでしょうか。このようなデザインのチェアのことを「ウィンザーチェア」といいます。背もたれに並んだスティックと、木味を活かした素朴な佇まいが特徴です。17世紀頃のイギリスで庶民のための椅子として生まれたウィンザーチェアは、その後アメリカへと渡り、今ではそのデザインは世界中に広く浸透しています。まさに普遍的なデザインの椅子といえるでしょう。

アンティーク ウィンザーチェア

ウィンザーチェアは、現在に至るまでにたくさんのデザインが派生している椅子でもあります。詳しい種類の紹介は別の機会に譲ることにして、ここでは、基本的な2つのタイプだけをご紹介しておきましょう。
ひとつは、画像右側のような、背もたれがアーチを描く「ボウバック」タイプ。背もたれのカーブがボウ(弓)のように見えることから名付けられました。もうひとつは、右側の画像のような「コムバック」タイプ。「コム」とはコーム(クシ)のことです。たしかにその姿はクシにそっくりですよね。

ウィンザーチェアは、無駄な飾り気が無く、どんな空間にもしっくりと馴染むのが最大の魅力。シンプルなダイニングチェアとしてもおすすめです。ボウバックとコムバック、どちらかのタイプでそろえても素敵ですし、両方ミックスしてコーディネートしたり、他のデザインのチェアと合わせてみるのもおしゃれですよ。

レトロ感漂う椅子なら、アンティークのチャーチチェア(チャペルチェア)

アンティーク 椅子 教会

その可愛らしい見た目で人気の高い、アンティークの「チャーチチェア」。とくにカフェ風インテリアなどによく取り入れられている印象があります。その名前のとおり、かつては教会で使われていた椅子で、背もたれに十字架のモチーフが施されているデザインなどもよく見かけます。他のアンティークチェアには見られない、特別なデザイン性に惹かれてしまいますよね。

アンティーク チャーチチェア

さらに、チャーチチェアならではの作りといえば、この背もたれのポケット。もとは聖書や賛美歌の楽譜などを入れるために活用されていたそうです。現代では、こうしてランチョンマットを入れておいたり、新聞や文庫本などをしまっておいても良さそうですね。アンティークの椅子も、このようにちょっとの工夫で現代の生活にすんなり馴染んでしまうんですよ。

ひと味違ったおしゃれな椅子。アンティークのベントウッドチェア

アンティーク ベントウッドチェア

木材がやわらかく曲げられたフォルムが印象的な「ベントウッドチェア」。他のアンティークチェアとはまた違い、クラシカルな雰囲気とカジュアルな雰囲気が同居しています。この独特な佇まいの秘密は、蒸気の力で木を曲げる「曲げ木」の技術によるもの。これによってしなやかに曲げられたパーツが、他の椅子にはないコケティッシュな魅力を醸し出しているというわけなんです。

アンティーク チェア 曲木

ベントウッドチェアを世界に広めたのは、ドイツ発祥のトーネット社。設立者のミヒャエル・トーネット氏が、19世紀に曲げ木の技術と大量生産の技術を整えたことで、広く普及していきました。当時は「安価で丈夫な椅子」として、たくさんの椅子が必要となるカフェなどでよく使用されていたようですよ。

アンティークのベントウッドチェアはデザインが豊富で、クラシカルなヨーロッパスタイルだけでなく、和モダンなインテリアにも違和感なく合わせることができるんです。ぜひその懐の深さを楽しんでみてくださいね。

温もり感じる洗練された椅子。北欧のアンティークチェア

アンティーク チェア 北欧

デンマーク・スウェーデン・ノルウェーといった「スカンジナビア」と呼ばれる北欧地域のチェアも、イギリス・フランスのアンティークチェアと双璧をなすくらい根強い人気がありますよね。これらの地域の椅子について、「北欧アンティーク」という言葉で調べたり探したりする方も多いと思いますが、正確にいうとこれらの椅子は、「アンティーク」と呼ぶにはまだ少し歴史が浅く、「ヴィンテージ」と呼ばれることが大半なんです。ぜひ、「北欧ヴィンテージ」というキーワードでも探してみてくださいね。
ほとんどが1960年代以降に作られたもので、シンプルでモダン、あるいは、さりげなく個性を効かせたミッドセンチュリーテイストなど、洗練されたデザインが特徴的です。

アンティーク 椅子 北欧

こうした北欧ヴィンテージチェアには、チーク材やローズウッド材といった、温かで滑らかな木肌の材が使われていることが多く、たっぷりと温もりを堪能できるのも大きな魅力。シンプルだからこそ現代のお家にも取り入れやすく、北欧スタイルやナチュラルスタイルといったインテリアスタイルの流行を後押ししています。
また、ハンス・J・ウェグナーなどをはじめとする有名デザイナーズチェアがたくさんあるのも、北欧チェアが絶大な人気を誇る理由といえるでしょう。

レトロな郷愁で人を惹きつける。日本のアンティークの椅子

アンティーク 椅子 日本

アンティークチェアといっても、なにも海外の椅子だけではありません。私たちが暮らす日本で生まれたアンティークの椅子もたくさんあるのをご存知ですか?おもに大正~昭和期に作られたものが主流です。大正ロマンな雰囲気やレトロなデザインなど、当時の時代を直接的には知らなくても、なぜか「懐かしい」と思ってしまうような、そんなレトロチェアの虜になっている人も多くいるんですよ。

アンティーク 椅子 日本製

先にご紹介したヨーロッパや北欧のアンティークチェアと比べると、良い意味で洗練されすぎていない素朴さの残る雰囲気が、日本のアンティークの椅子に特有の味わいです。レトロな雰囲気の店舗作りにもぴったりですし、ご自宅でもその懐かしい雰囲気を楽しんでみてはいかがでしょうか。

アンティークの椅子の用途別デザイン

1~3章では、国や地域別のアンティークの椅子のデザインをご紹介しました。ひと口にアンティークチェアと言っても、たくさんの種類があることがお分りいただけたかと思います。しかし、チェア選びの際には、見た目のデザイン(雰囲気)だけでなく、使用用途に適したデザイン(形)もチェックしますよね。そこで、この章では「どのお部屋で何の目的のために使うのか」という視点からアンティークの椅子の種類をまとめました。早速ひとつずつ見ていきましょう。

毎日使うからこそこだわりたい。アンティークのダイニングチェア

ダイニングチェア アンティーク

ダイニングチェアというと、一般的には、背もたれのある一人掛けのタイプの椅子を指すことが大半です。しかしながら、なんとなく想像がつくかもしれませんが、食事に使うことができる椅子であれば、なんでも「ダイニングチェア」になり得ますよね。ここまでにご紹介してきたアンティークの椅子も、ほとんどがダイニングチェアとして使うことができます。そう考えると、アンティークダイニングチェアの種類の幅は、本当に計り知れないといえるでしょう。その中で、アームの有無や、座面は板座面が良いかクッション座面が良いかなど、実際に食事をするときのことまでしっかりと考えることが、アンティークダイニングチェア選びの失敗しないポイントです。

日々の暮らしに寄り添ってきた椅子。アンティークのキッチンチェア

アンティーク キッチンチェア

ダイニングチェアと合わせて、「キッチンチェア」と呼ばれているアンティークの椅子を見かけたことのある方も多いのではないでしょうか。キッチンチェアは、お客様を食事に招くための椅子というよりも、生活の中でガシガシ使う実用性の高い椅子、というイメージです。パイン材などのナチュラルな雰囲気の木材が使われていることが多く、フランクなカントリーテイストのインテリアにぴったりですね。中でも人気なのは、「アイベックスチェア」と呼ばれる形。アイベックスとは、アルプス山脈に生息するヤギに似た動物のことです。背もたれのトップのデザインが、このアイベックスの角をモチーフにしたデザインであることから名付けられました。

アンティーク 椅子 白

素朴な木の質感が魅力でもあるアンティークのキッチンチェアですが、ペイントされているものも素敵です。キッチンでの作業や、作業の合間の休憩時など、様々な場面で使用頻度も高かったためか、くり返しペイントが施された跡のある椅子もあるんですよ。椅子に付いたキズを隠すためだったり、インテリアの気分を変えるためだったり、工夫しながら大切に使い続けられてきたことが伝わってきますね。

自宅にも店舗にもおすすめの椅子!アンティークのカウンターチェア(ハイチェア)

カウンターチェア アンティーク

ご自宅のキッチンカウンターに合わせるおしゃれな椅子をお探しの方におすすめなのが、アンティークのカウンターチェア。その名のとおり、カフェやバーなどのカウンター用として使われていた椅子です。背が高いので、「ハイチェア」と呼ばれることもあります。画像のようなベントウッドチェアタイプもあれば、シンプルなウィンザーチェアをそのまま縦に引き伸ばしたようなデザインのものもあります。もちろん、本来の目的どおり店舗のカウンターチェアとして取り入れるのも素敵です。ぜひクラシカルな空間作りにいかがでしょうか。

アンティークなのに機能的な椅子!折りたたみチェア(フォールディングチェア)

アンティーク 折りたたみ 椅子

アンティークなのにとても機能的に使えるのが嬉しい、折りたたみチェア(フォールディングチェア)。よく見るのは、イギリスアンティークの木製タイプのものです。使わない時には折りたたんで仕舞っておけるので場所を取らないのも、この折りたたみチェアのポイント。急な来客時などにも活躍してくれそうですね。

アンティーク 椅子 折りたたみ

また、折りたたむことで持ち運びも楽にできるため、天気の良い日にはバルコニーやサンルームに持ち出してくつろぐのも良いかもしれません。

くつろぎの時間にぴったりな椅子。アンティークのアームチェア(肘掛け椅子)

アンティーク アームチェア

肘掛けが付いているアームチェアなら、ゆったりと過ごすことができそうですよね。この記事の最初にご紹介したサロンチェアをはじめ、ゆったりとしたラウンジチェアやダイニングチェアなど、様々な用途に合ったアンティークのアーム付きチェアがあります。そんなアンティークの肘掛け椅子を選ぶ際のポイントは、自分の体にフィットし、肘掛けに腕を乗せやすいものを選ぶこと。自分にしっくり馴染む椅子なら、デザインだけでなく使用感の面からもお気に入りの椅子になりますね。

肘掛け 椅子 アンティーク

肘掛けは、立ち上がったり座ったりする際に手すり代わりにもなるため、小さなお子さまやご年配の方にもやさしいというのもポイントです。

お母さんと赤ちゃんのためのゆったり仕様。アンティークのナーシングチェア

アンティーク ナーシングチェア

座面が低く、ゆったりとした雰囲気が漂うこちらのアンティークチェアは、「ナーシングチェア」と呼ばれる椅子です。お母さんが赤ちゃんに授乳する際に使われていたもので、座面は広く、低く、安定感のあるつくりが特徴です。赤ちゃんがいるお家でのご使用はもちろん、ご自分のリラックスタイム用にリビングや書斎でお使いいただくのもおすすめですよ。

アンティーク 椅子 キャスター

中にはこのようなキャスター付きのナーシングチェアもあります。赤ちゃんを抱えながらでも扱いやすいように設計されたのでしょうね。見た目もクラシカルでおしゃれです。
しかし残念なことに、アンティークの椅子に付いているキャスターは、古いがゆえに動かない場合も多々あります。素材も真鍮や磁器でできているものが多く、無理に引きずると床を傷つけてしまう恐れがあるので、扱いには注意しておきたいところ。キャスターは、見た目のデザインとして楽しみ、あとは通常の椅子と同じように使用するのが無難です。

子ども用の椅子もおしゃれに。アンティークのベビーチェア

アンティーク ベビーチェア

インテリアにこだわるなら、ベビーチェアだって妥協なく、おしゃれなアンティークを選びたいですよね。お子さまがベビーチェアを使う期間は限られていますが、だからこそお気に入りのデザインのものを選べば、思い出もひとしお。雰囲気のある椅子に可愛い我が子が座っているだけで、かけがえのないワンシーンになりそうです。
ただし、大切な我が子を乗せる椅子となれば、より一層安全面には注意したいもの。アンティークは古いものですから、その構造や耐久性、木肌がささくれていないかなどもしっかりと確認しておきましょう。心配であれば、「柏木工」「秋田木工」「松本民芸家具」といった国産メーカーのものがおすすめです。信頼できる品質であるとともに、アンティーク家具と合わせても遜色ない見た目なので、インテリア作りにも困りません。

アンティークらしい雰囲気のあるキッズチェア。昔の幼稚園/学校で使われていた椅子

学校 椅子 アンティーク

小ぶりなサイズが可愛らしい、アンティークのキッズチェア。昔の幼稚園や学校で使われていたものが多く、同じデザインをそろえやすいのもポイントです。学校で使われていたものは、「スクールチェア」というキーワードで調べてみるのもおすすめですよ。

キッズチェア アンティーク

このようにペイントすれば、小さなサイズも相まって、より可愛らしい雰囲気になります。同じデザインでも違う色で塗り分けてみるのも、アンティークらしくて良いですね。ご自宅でお子さま用の椅子として使う他にも、植物を飾る台などとして活用するのもおしゃれです。

レトロな懐かしさ漂う佇まい。アンティークの回転椅子(ドクターチェア)

アンティーク 椅子 回転

おしゃれな書斎やアトリエのワークチェアとしておすすめしたいのが、アンティークの回転椅子です。現代のチェアではなかなか見られないレトロな雰囲気がたまりません。画像のような、イギリスアンティークの風格ある佇まいのものの他に、日本製の大正ロマンな雰囲気漂うデザインも豊富にあります。どっしりとしたアンティークデスクと合わせたり、シンプルな作業台と合わせたり、お好みのコーディネートで、気分の上がる作業スペースを作ってみてくださいね。

ゆらゆら楽しい、憧れの椅子。アンティークのロッキングチェア

ロッキングチェア アンティーク

椅子の中でもユニークな形で、誰もが一度は「座ってみたい!」と憧れを抱くのが、ロッキングチェア。アンティークのものとなると、どこかノスタルジックな雰囲気が漂います。リビングやベッドルームなど、お気に入りのリラックススペースに置いて、ゆったりとしたくつろぎの時間を楽しむのに、まさにぴったりの椅子ですね。

アンティーク ロッキングチェア

ロッキングチェアは、通常の脚の代わりにソリが付いていることで、前後にゆらゆらと揺れる仕組みになっています。この足元の部分にはどうしても負荷がかかるので、アンティークのものを選ぶ際には、しっかりとリペアされていて状態の良いものを選ぶことが肝心ですよ。

自慢の庭作りに優美な椅子を。アンティークのガーデンチェア

ガーデンチェア アンティーク

庭先やテラスなどの屋外で使うために作られた、アンティークのガーデンチェア。雨に濡れても大丈夫なように、木製ではなくアイアンで作られているものが大半です。アイアンならではのほっそりとしたフレームや、曲線的なデザインが特徴的で、イングリッシュガーデンに似合いそうな優雅な佇まいが魅力です。お家の中のインテリアだけでなく、お庭作りにこだわっている方は、ぜひアンティークのガーデンチェアを取り入れて、自慢のお庭をさらに素敵に飾ってみてはいかがでしょうか。また、綺麗にリペアされているものであれば、室内に取り入れてみてもおしゃれですよ。

小回りが利くから大活躍!椅子以外の使い道もある、アンティークの木製スツール

アンティーク スツール

小柄なサイズが可愛らしいアンティークのスツール。小さな存在なので、これまであまり注目してこなかった、という方もいらっしゃるかもれませんね。でも実は、木製のシンプルなものから、鉄脚、クッション座面、回転式など、デザイン性に富んだ豊かな世界が広がっているんです。板座面のシンプルなものなら、使い勝手も抜群。チェアとして使う他にも、植物を飾ったり、ちょっとした物を置く台として使うこともできます。

ミシン 椅子 アンティーク

このような角型のクッション座面のタイプも、レトロな雰囲気があっておすすめです。かつてはミシンスツールとして使われていたものも多く、現在でもコンパクトな作業スペースのワークチェアとして活用できます。
スツールは、アンティーク家具の中でも価格が比較的手頃な上に、サイズ感もコンパクトで邪魔にならないため、つい、いくつでも集めたくなってしまいますね。

華麗な変身術をもつ椅子。アンティークのステップチェア

おしゃれ 椅子 アンティーク

ステップチェアは、椅子としてはもちろん、折りたたむことでステップ(踏み台)としても使うことができる仕組みを持つチェアのことです。とくに現行品には、機能性に特化した、シンプルなつくりのものが多い一方で、アンティークのものとなると、このように椅子としてのデザイン性に富んだものも多く、一見すると普通の椅子にしか見えない姿のものもたくさんあります。

脚立 椅子 アンティーク

普段は椅子として使い、必要な時に踏み台として使ったり、あるいは、普段はステップの状態で飾り台として使い、必要に応じて椅子に変えて使うなど、生活スタイルに合わせて柔軟に扱えるところがうれしいですね。つい自慢したくなってしまうような、少し変わったアンティークの椅子を探している方にもおすすめです。

アンティークの椅子の素材別デザイン

4章までは、アンティークチェアの国別デザインと用途別のデザインを見てきました。続いては「素材」の面から、アンティークの椅子について整理していきましょう。それぞれの特徴や利点をお伝えします。

時を経た木材の味に注目。アンティークの板座チェア

アンティーク 椅子 木製

座面にクッションなどが付いていない、シンプルなデザインの板座チェア。アンティークならではの、時を経た木の風合いが存分に楽しめます。座面に残る細かなキズなども「味わい」のひとつとして、ぜひじっくりと楽しんでみてください。
また、布やレザーの張り替えの必要がなく、汚れたらさっと拭くだけでOKというお手入れの手軽さも、この板座チェアのポイントです。キズや汚れを必要以上に気にせず、日常の中でどんどん使いたい!という方にもおすすめですよ。

アンティーク 椅子 座面

板座面は長時間座っているとおしりが痛くなってしまいそう…と心配な方も、クッションや座布団などを別に用意すれば解決できます。いちいち座面を張り替えるのは大変ですが、クッションなら必要な時にさっと敷くだけ。季節やインテリアの雰囲気に合わせて様々なデザインを合わせてみるのも楽しそうですね。冬場の寒い時も、少し暖かく過ごすことができますよ。

椅子をインテリアのアクセントに。アンティークのクッション座面チェア

アンティーク 椅子 生地

クッション座面のチェアなら、張地の色や柄などで、気軽にインテリアに華を添えることができます。今のお部屋に少し味気なさを感じているなら、華やかな座面のアンティークチェアを取り入れれば、空間のアクセントとして効いてくるはずです。
また板座チェアとは異なり、ソフトな座り心地であるのも、クッション座面チェアの特徴です。クッションの硬さは、それぞれの椅子によって異なるので、気になる方はしっかりと確かめてからの購入が無難ですよ。加えて、アンティークのものは経年によってヘタリが見られる場合も多いため、きちんと張り替えられているものを選ぶと安心です。

アンティーク 椅子 クッション

デメリットといえば、先ほども少しお話ししたように、長年使用していく中で、どうしても汚れやヘタリが現れるということです。大切に使い続けるためには、日頃からこまめにお手入れしたり、いざとなった時に張り替えをお願いできるショップで購入することが欠かせません。

独特の存在感が光る椅子。アンティークの編み座面チェア

板座面やクッション座面の他に、アンティークチェアの中には編み座面のものもあります。ここでは代表的な3つをご紹介しましょう。

自然由来のオリエンタルな雰囲気。アンティークのラタンチェア

ラタンチェア アンティーク

ラタン(籐)は、東南アジアを中心に熱帯雨林地域のジャングルに自生するヤシ科の植物のことです。自然素材の中で最も軽いともいわれている一方で、きちんと丈夫さも兼ね備えている素材です。長く使用することで高級木材と同様にツヤや味わいを増し、独特なオリエンタルな雰囲気が醸し出されるのが、ラタンならではの大きな魅力。インテリアに変化を効かせたい場合にも活躍してくれるアイテムです。画像のように、座面がクッション張りになっているタイプも多いですね。

強度もフィット感も抜群の椅子。アンティークのペーパーコードチェア

アンティーク ペーパーコードチェア

「ペーパーコード」とは、日本語にすると「紙紐」のこと。樹脂を含ませた紙をよって紐状にしたもので、20世紀のヨーロッパで誕生しました。当初は麦などを束ねる紐として活用されていましたが、ラタンなどの天然素材に比べ、太さや品質が均一なことから、次第に椅子作りにも取り入れられるようになりました。あの有名なハンス・J・ウェグナーの「Yチェア」に代表されるように、おもに北欧のチェアによく見られる素材ですが、夏は涼しく冬は暖かく過ごせるという嬉しい機能があるため、四季がある日本にもペーパーコードチェアはぴったりなんです。また、似たような見た目の椅子として、ペーパーコードの代わりに“い草”(rush)が使われているものもありますよ。

アンティーク 編み座面チェア

ペーパーコードチェアでは、このような「鹿の子編み(平編み)」や「封筒編み(エンベロープ編み)」と呼ばれる編み方が主流です。編み方によって椅子の表情も変わるので、お好みのものを見つけてみてくださいね。

やさしいカラーとしなやかなフォルムが魅力の椅子。アンティークのロイドルームチェア

アンティーク ロイドルームチェア

ラタン家具の製法を改良し、ペーパーコードのような紙とワイヤーで作る独自の素材を使って誕生したのが、「ロイドルームチェア」です。1917年にアメリカ人のマーシャル・B・ロイド氏によって考案されました。
この独自の新素材は、防水加工を施したクラフトペーパーを、防水・防錆加工を施したスチールワイヤーに巻きつけ、機械で織り上げることで均質に作られています。折れやヒビに強く、ささくれや変形、湿気などの心配もなく、強さと美しさを兼ね備えたチェアなんですよ。

アンティーク 椅子 ロイドルーム

工夫が施された素材から生まれる均一で美しい網目と、しなやかでエレガントなフォルムが、他にはないロイドルームチェアならではの魅力です。カラーバリエーションも豊富で、特にやさしいパステルカラーが人気を集めています。アンティークのロイドルームチェアを使えば、ロマンチックなコーディネートができそうですね。

シャビーな雰囲気の椅子なら、アンティークのペイントチェア

アンティーク 椅子 ペイント

アンティークのペイントチェアといえば、そのシャビーな雰囲気で人気がありますよね。時の経過を感じさせる、かすれた風合いのペイントは、シャビーシックなインテリアや、ブロカントスタイルのインテリア作りに欠かせません。反対に、マットな質感に塗装されているものであれば、よりキュートな印象で、子供部屋などの可愛らしい雰囲気作りにもぴったりです。選ぶペイントカラーによっても雰囲気は全く異なるので、作りたいテイストに合わせてお好みの色やペイント方法などを選んでみてくださいね。

重厚感が漂う格好良い椅子。アンティークのレザーチェア

アンティーク レザーチェア

シンプルでクールな印象を与える、レザーチェア。アンティークチェアの中でも、男前なインテリア作りに活躍してくれるアイテムです。アンティークだけでなく、もっと時代の新しいヴィンテージの椅子の中にも、レザーチェアはたくさん見つけることができます。北欧ヴィンテージをはじめとする、ヨーロッパ各国のヴィンテージチェアはモダンな雰囲気です。一方、日本のものだと、1960年代に登場したカリモクの「Kチェア」に代表されるような、昔懐かしいレトロな佇まいが印象的ですよ。

レザーチェアの中でも高級感あふれる、アンティークのチェスターフィールドチェア

アンティーク チェスターフィールドチ ェア

よりクラシカルなアンティークのレザーチェアだと、このようなチェスターフィールドチェアも人気があります。チェスターフィールドとは、イギリス製ソファを代表する伝統的なデザイン。このような総革張りに鋲飾りとボタン留めが特徴で、2~3人掛けタイプのソファはまさに王道中の王道です。そんな定番のデザインが応用されたパーソナルチェアは、誰もが目を見張るような高級感がありますね。

インダストリアルな雰囲気の椅子。アンティークのアイアンチェア

アンティーク 椅子 アイアン

さびれた見た目が印象的な、アンティークのアイアン製チェア。このようなファクトリーチェアは、インダストリアルテイストのインテリアにぴったりです。経年によるサビが現れているものもあり、その朽ちた姿がアンティークらしい味わいになっていますね。
ファクトリーチェアの他にも、アイアン製チェアとしては、4章でご紹介したガーデンチェアも人気です。ご自宅でのご使用はもちろん、店舗などの雰囲気作りにもおすすめの椅子ですよ。

疑問を解消!アンティークの椅子を買う前に知っておきたいこと

ここまで、様々なアンティークチェアをご紹介しました。そのデザインの豊富さに驚いた方も多いのではないでしょうか。ところで、見た目がどんなにおしゃれでも、安心・安全・快適に使えることも、また譲れない条件ですよね。ここで、アンティークの椅子でも不安なく取り入れることができるように、購入前に知っておきたい情報を確認しておきましょう。

同じデザインをそろえるのは難しい?アンティークチェアはバラバラでもおしゃれ

ダイニング 椅子 バラバラ

とくにダイニングなど、いくつかの椅子を合わせて作るインテリアでは、どうしても同じデザインの椅子をそろえなくてはいけない、という意識を私たちは抱きがちです。でも、アンティークの椅子となると、欲しい数だけ同じデザインがそろうことはあまり期待できません。
ここは発想を逆転して、あえてバラバラなコーディネートを楽しんでみるのもおすすめです。自分の感性に引っ掛かったチェアを集めれば、あなただけのオリジナルなインテリアに仕上がるはずですよ。

アンティーク 椅子 ダイニング

コーディネートに自信がないという初心者の方は、形の違う椅子でも同じ色味でそろえることを意識すると、空間に統一感を出すことができるので、試してみてくださいね。

適切な高さはどのくらい?アンティークチェアとテーブル/デスクのサイズの合わせ方

アンティーク テーブル 椅子

アンティークの椅子は、飾っておくだけでも素敵なデザインばかり。でも、実際に使うことを考えると、ダイニングチェアやワークチェアなどのように、テーブルやデスクと合わせて使うことが多いですよね。快適に使うことができる「高さ」の関係もしっかりとおさえておきましょう。

目安は、「テーブル・デスクの天板高-チェアの座面高=30センチ」

ひとりひとりの体格の差やどんな作業を行うかによって、多少の誤差はありますが、天板高と座面高はおよそ30cmの差があると良いとされています。(この天板高と座面高の差のことを「差尺」といいます。)
この数字を目安に、テーブル・デスクとチェアの高さを調整してみてください。

アンティーク テーブル チェア

また、より正確に自分にとっての快適な差尺を求めたい場合には、「座高(cm)÷3-2」という計算式もあります。座高の高さは、「身長(cm)×0.55」で求めることができますよ。
こちらの式を使えば、目安としての30cmが、自分にとっては28cmであったり31cmであったりと、より厳密に導き出すことができます。
仕事を行うワークチェアなど、長時間使用する椅子に関しては、このように細かくこだわってみるのも大事かもしれませんね。

アンティークチェアは、しっかりメンテナンスされているものを選ぶと安心

どんなに素敵なアンティークチェアでも、その実、中古品であるということは否めません。質が良いからこそ長年に渡って残り続けてきた椅子も中にはある一方で、やはりほとんどのアンティークチェアは、見えない部分にも消耗やダメージが積み重なっているものなんです。構造に致命的な劣化があっては、安心して使用することはできません。アンティークチェアの購入時には、次の3点を押さえた上で、安心できるショップで購入しましょう。

安全性に関わるので注意!アンティークチェアの構造上の「ぐらつき」はしっかり修理

アンティーク チェア 修理

アンティークチェアの安全面を考慮するとき、必ず確認しておきたいのが「ぐらつき」です。4本の脚が全て床についているのにグラグラと揺れてしまう場合には、この「ぐらつき」を疑いましょう。チェアの座面と脚の接合部分にゆるみや隙間が生じている証拠なので、しっかりと修理しておく必要があります。きちんとプロの手で直しておくと安心ですよ。

快適な座り心地のために。アンティークチェアの脚の「がたつき」も要チェック

アンティーク 椅子 中古

ぐらつきとは異なり、1本の脚が床から浮き、ガタガタと若干段差があるように感じられる場合には、「がたつき」であると考えられます。古い椅子にはよく見られる症状で、経年によって全体的に歪みが生じてしまっているのが原因です。安全面においては、ぐらつきほど致命的ではありませんが、座り心地としては気になりますよね。購入したショップに相談して調整してもらうか、あるいは、市販のクッション材を脚の下に挟んで自分で対処するという方法もあります。

購入後のアンティークチェアの修理にも対応してくれるショップだと安心!

アンティーク 椅子 張替え

安心して使えるアンティークチェアを購入するためには、きちんとメンテナンスを行っているお店を選ぶことが大切です。実際に見て触れてその品質を確かめたり、疑問点はお店の人にたずねるなどして、不安な要素がない状態で購入できるのがベストですね。
インターネット通販を利用する場合には、商品画像や説明文をはじめ、そのショップが発信しているあらゆる情報から、そのショップが信頼に値するかを見極めることが重要です。

さらに、お店選びの際には、購入後の修理やメンテナンスにも対応してくれるかどうかもチェックしておくと良いでしょう。せっかくアンティークの椅子を気に入って購入するなら、長く大切に使っていきたいもの。使っていく中で何か不具合が生じても、気軽に相談できるプロがいると分かっていれば、安心できますよね。

アンティーク 椅子 修理

また、すでに数年前に購入したアンティークチェアの修理先をお探しの方は、アンティーク家具専門の修理工房や、チェアの張り替え工房、他店で購入したアンティーク家具の修理も受け付けているショップなどに問い合わせてみると良いですよ。

アンティークの椅子のお手入れ方法は?

最後に、アンティークの椅子のお手入れ方法について、しっかりと把握しておきましょう。素材別に、簡単にできるお手入れ方法をご紹介します。

アンティークチェアの木材部分のお手入れ方法

アンティーク 椅子 手入れ 木

木製のアンティークチェアの場合は、普段のお手入れは軽くホコリを落とす程度でOKです。やわらかい布などで乾拭きしてホコリを落としましょう。
頑固な汚れがついてしまった場合には、中性洗剤をぬるま湯で薄めたものを、やわらかい布に染み込ませて固く絞り、汚れをやさしく拭き取ってください。仕上げに乾拭きしてしっかりと水分を拭き取れば完了です。

〈定期的に行いたいスペシャルメンテナンス〉

アンティークの木製チェアは、使用していくうちに、ちょっとしたキズが付いてしまったり、乾燥して表面がカサカサしてしまうこともあります。そんなときには、オイルやワックスを使ったメンテナンスがおすすめです。やわらかくきれいな布を2枚用意し、1枚にオイルまたはワックスを付け、椅子全体に薄く延ばしていきます。その後、すぐにもう1枚の布で乾拭きをすれば完了です。
オイルとワックス、どちらが適しているかは、チェアの仕上げ方法によって異なるので、購入したお店に確認してみてくださいね。

アンティークチェアのファブリックのお手入れ方法

アンティーク 椅子 手入れ 布

細かいホコリやゴミが付着しやすいファブリック部分は、毛先がやわらかいブラシなどを使いましょう。生地が傷まないように、やさしく行うのがポイントです。ブラシタイプの掃除機を使うのも良いですね。
アンティークのような古い生地は傷みやすいので、水洗いも避けたほうが無難ですよ。

食べこぼしや飲みこぼしなどの汚れがある場合には、中性洗剤を使います。ぬるま湯で薄めた中性洗剤を、やわらかい布に染み込ませ、固く絞って、汚れが広がらないようにトントン叩くようにして拭き取ってください。このとき、外側から内側に向かって円を描くようにすると、汚れが広がるのを防げます。汚れが落ちたら、別の乾いた布で洗剤を吸い取るように拭き、自然乾燥させて完了です。

アンティークチェアのレザー部分のお手入れ方法

アンティーク 椅子 レザー

アンティークの椅子のレザー部分は、やわらかい布で乾拭きすることが基本です。水分はレザーの変色・変形の原因になってしまうので、なるべく水拭きは避けましょう。どうしても落ちない頑固な汚れがある場合だけ、固く絞った布で拭き取ります。革を傷めてしまわないように、軽くトントンと叩くことを意識してみてください。強くこすらないように気をつけてくださいね。色ムラが心配な場合には、汚れの周囲も合わせて叩いておくと安心です。

〈定期的に行いたいスペシャルメンテナンス〉

革をきれいな状態で保つために、レザークリームを使ったメンテナンスも行えると良いですね。半年に一度くらいの頻度を目安にしてみてください。

編み座面のアンティークチェアのお手入れ方法

アンティーク 椅子 手入れ

ラタンやペーパーコードなどによるアンティークの編み座面チェアは、普段は隙間に入ったホコリを取り除くだけでOKです。やわらかい布で乾拭きしたり、ハタキや掃除機などでやさしくホコリを落としましょう。
汚れてしまった場合には、表面をこすらないように気をつけながら、タオルなどで汚れを吸い取ってください。その後、お湯をつけて絞ったタオルで、叩くようにして汚れを取り除いて完了です。

アンティークチェアのアイアン部分のお手入れ方法

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アンティークチェアのアイアン部分は、普段は乾いた布もしくは固く絞った布で、表面の汚れを拭いてください。汚れが落ちない場合には、中性洗剤を含ませたやわらかい布を使って表面の汚れを落とし、その後水拭き、乾拭きの順で仕上げます。最後に、ワックスを塗るとサビの防止と状態維持に効果的です。
万が一、サビが生じてしまった場合には、不織布タイプの研磨パッドやワイヤーブラシでサビ部分をこすって取り除き、ワックスを塗って、再びサビが生じてしまうのを防ぎます。このとき、紙やすりでこすると、サビの下のアイアン部分まで削れてしまう恐れがあるため、紙やすりの使用は控えてくださいね。

アンティークチェアのクッションの「へたり」の対策方法

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長年使用するうちに、「へたり」が生じてしまうクッション座面。気になるようであれば、4章でご紹介したように、専門店に張り替えを依頼するのも良いでしょう。

へたりの進行を防ぐために日頃から気をつけたいのは、クッションの内部に湿気がたまらないようにすること。良く晴れた日には、頻繁に陰干しすると良いですよ。直射日光に当ててしまうと、布地や木材部分を傷める原因となるので、あくまで陰干しにしてくださいね。

お気に入りのアンティークチェアにカビが生えてしまったら?

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アンティークチェアにカビが生えているのを発見したら、まずは風通しのよいところに移動させて、カビがこれ以上繁殖するのを防ぎましょう。次に、布や歯ブラシなどを使ってカビを取り除きます。その後、中性洗剤を薄めたぬるま湯を用意し、布を浸して固く絞り、カビが生えていた部分を丁寧に拭きましょう。最後に、乾いた布で表面の洗剤を拭き取って完了です。しっかり乾燥させた後、全体にワックスを塗っておくと、カビ対策だけでなく、アンティークチェアを良い状態で保つことにもつながりますよ。

最後に

アンティークチェアに関して、デザインの紹介から、購入前に知っておきたいこと、お手入れ方法など、盛りだくさんの内容でお伝えしました。気になるデザインの椅子や、知りたかった情報は見つかったでしょうか。
今回、本当にたくさんの種類のアンティークチェアをご紹介しましたが、これはまだまだ表層の部分にすぎません。記事を参考にしつつも、ぜひアンティークチェアとの一期一会を楽しんでくださいね。

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