鍛冶屋の仕事とは?職人の種類や仕事内容、求人状況、目指し方を紹介

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鍛冶屋の仕事とは?職人の種類や仕事内容、求人状況、目指し方を紹介

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鍛冶 職人 なるには

カンカンと熱い鉄を叩き、成形してく、鍛冶屋の仕事。現代では、まだ鍛冶屋ってあるの?という人もいるくらい昔ながらの職業ではありますが、最高級と謳われる鋼製の刃物や鉄製のフライパンなどの多くは、今でも鍛冶職人が一つ一つ手作業で制作しているんですよ。そして最近では、そういった鍛冶職人のすばらしい作品をきっかけに、鍛冶屋の世界に飛び込みたいという人も増えているんです。

ただ、鍛冶屋の仕事は、実際どんな仕事をするのかイメージしにくく、求人情報も一般的なサイトでは見つかりにくいので、はじめの一歩がなかなか踏み出せない人が多いのではないでしょうか。 そこで、今回は鍛冶屋の仕事について、仕事内容や求人の特徴、職人を目指す方法まで、もれなくお伝えしていきたいと思います。厳しい面もしっかりとお話しますので、これから鍛冶職人を目指したいという人は、ぜひ目を通してみてくださいね。

Contents

鍛冶屋とは?伝統的な鍛冶職人と工事現場の鍛冶工があり

鍛冶 職人

鍛冶屋の仕事というと、包丁や鋏(はさみ)、刀などを作る伝統的な鍛冶職人と、工事現場で溶接などの仕事を行う鍛冶工と、大きく2つがあります。まずはそれぞれの基本知識を押さえておきましょう。

昔ながらの鍛冶職人は、主に鉄や鋼などを鍛錬して、刃物や工具、農具などを制作したり、修理を行うのが仕事。別名、鍛冶師とも呼ばれます。鍛冶職人は、もともと刀鍛冶(刀を作る専門の鍛冶屋)や、専門鍛冶(包丁や鋏、鉈などある道具のみを作る鍛冶屋)、野鍛冶(農具・漁具・山林刃物などを幅広く作る鍛冶屋)などがいて、広く暮らしに密着して活躍していました。しかしながら、昭和30年以降、農業の機械化や、大量生産による安価な刃物が多く出回るようになり、多くの鍛冶屋が廃業に追い込まれることに。現在では、大阪府の堺市や岐阜県の関市、新潟県の燕三条などを中心に、鍛冶屋が残っています。

鍛冶屋 仕事

一方、建設業界で鍛冶職人というと、工事現場の溶接工(鍛冶工)を意味します。建築の基礎や手すり、外部階段など、建築にまつわる多様な鉄製品を作る仕事です。現在、鍛冶屋の求人として多いのは、圧倒的に工事現場の鍛冶工の仕事です。

それでは続いて、鍛冶職人の仕事内容や求人状況について詳しく説明しますので、気になるところからチェックしてみてくださいね。

鍛冶屋の仕事内容や求人の特徴、職人になる方法を種類別に解説

現代の鍛冶屋の仕事は、包丁鍛冶職人、刀鍛冶職人、鋏鍛冶職人、家具やオブジェなどを制作する鍛冶職人、工事現場の鍛冶工と、大きく5つがあります。種類ごとに仕事内容や求人の特徴、職人になる方法を見ていきましょう。

伝統の技が生きる!包丁鍛冶職人の仕事

現代に生きる鍛冶職人の中でも、特に人気の高い包丁鍛冶職人の仕事。日本の包丁は特に和包丁と呼ばれ、名のある鍛冶職人が手がける和包丁は、最高の切れ味と断面の美しさが特徴です。日本国内ではもちろん、海外でもプロの料理人に愛用されているアイテムなんですよ。それでは、包丁鍛冶の歴史と仕事内容からご紹介します。

包丁鍛冶職人の歴史と仕事内容

包丁 鍛冶屋 求人

包丁鍛冶職人が作る和包丁は、「打刃物(うちはもの)」と「抜刃物(ぬきはもの)」という2つの製法があります。打刃物は、日本刀をルーツとして、江戸末期にその形が完成しました。鋼と鉄を高温に熱し、ハンマーなどで打って成形する方法です。包丁鍛冶職人といえば、こちらの打刃物のイメージするのが一般的です。

一方、抜刃物は、昭和後期に確立した製法です。こちらは、鋼と鉄を打って成形するのではなく、「利器材」という鉄と鋼を一体化した材料を使い、機械を使って包丁の形に打ち抜く方法。その後の研削や刃付け作業は、熟練の職人が手作業で行います。抜刃物は、すべて手作業の打刃物と比べてとても効率的。鉄や鋼の代わりにステンレスを使う製造方法も確立したことから、錆びにくい包丁の大量生産が可能になりました。こうして包丁は一気に安価になり、包丁鍛冶職人の数は減っていきました。

和 包丁 鍛冶 職人

利器材を使った包丁が誕生し出した頃は、利器材の品質が悪かったため、利器材を使った包丁=粗悪品という扱いを受けていましたが、現代では質の高い利器材が作られるようになったため、品質はほど良く安定しています。とはいえ、一から腕の良い職人の手で作られた包丁は、切れ味や食材への吸いつき、断面の美しさなど、利器材では到底再現できない部分があり、価格よりも品質を求める人には、利器材を使わない打刃物の包丁が好まれます。

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鍛冶職人が包丁を作る工程は、全部で30以上あると言われています。一般的には材料の切り出しにはじまり、鍛接(鉄と鋼を接着する作業)、鍛造(鍛接した材料を打ち鍛える作業)、荒仕上げ(鋳造した包丁の形を整える作業)、焼入れ・焼戻し・ならし(焼熱と急冷を繰り返してしなやかさを出す作業)、研ぎ(形を整えて刃を付ける作業)、仕上げ、柄付け、錆止めなど、数々の工程を経て完成します(利器材を使う場合は、はじめの鍛接という作業が省かれます)。ほとんどが手作業ですが、叩く工程は、機械式のハンマーと金槌を併用したり、研磨の工程ではグラインダーを使用したりします。それぞれの工程は、職人が分業して作業を行っているところが多いです。

後継者不足の包丁鍛冶職人。目指し方と求人の状況

刃物 職人 鍛冶

包丁鍛冶屋になるには、師匠となる職人のもとで修業を積んで技術を学ぶのが基本です。1人前になるには5〜10年ほどかかると言われています。学歴や経歴は関係なく、異業界から転職して鍛冶職人になったという人もいますよ。

ただ、包丁鍛冶職人の求人を探してみると、刃物研ぎ職人の求人は少しは見つかりますが、鍛冶職人の求人はなかなか見つかりません。包丁鍛冶職人は後継者不足と言われていますが、現職人の高齢化や収入面の問題で、弟子を受け入れられない状況に陥っているためです。弟子入り先を探すなら、まずは各地の組合に問い合わせてみるのがおすすめです。

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打刃物が有名な産地は、新潟の三条市、大阪の堺市、神戸の三木市、高知の土佐市、福井の越前市などがあります。また、抜刃物が有名な産地は、新潟の燕市、岐阜の関市など。受け入れが難しい場合もありますが、工房によっては職人に話を聞いたり、仕事場の見学・体験させてもらえる場合もありますよ。まずは各組合のホームページをチェックしてみてくださいね。

現代の美術工芸品を作る。刀鍛冶職人の仕事

刀鍛冶職人は、その名の通り日本刀を製造する鍛冶屋のこと。別名、刀工や刀匠とも呼ばれます。日本刀は長らく武器としての歴史を歩んできましたが、現代では観賞用の美術工芸品として製造・購入されることが一般的です。それでは、刀鍛冶屋の歴史と仕事を見てみましょう。

刀鍛冶職人の歴史と仕事内容

刀 鍛冶屋 求人

刀鍛冶屋の歴史は古く、古墳時代以前には鉄製の刀が製造されていたと伝えられています。現代に伝わる日本刀の製造方法は、江戸時代以降のものです。刀鍛冶屋は、江戸・明治初期まで全国に数多く存在していましたが、明治9年に出された廃刀令や、戦後の刀狩によって、大部分の職人が廃業に追い込まれました。2017年の段階で職人の数は188人にまで減少していて、後継者不足と職人の高齢化により伝統の技の継承が危ぶまれています。

刀工 募集

刀鍛冶職人の仕事は、玉鋼(日本独自の製法で作られた鋼)の製造から、積み沸かし(欠片を積み重ねて熱し、鍛接する作業)、折り返し鍛錬・鍛接、作り込み(刀の内部構造を作る作業)、素延べ(刀の形に伸ばす作業)、火造り(火を入れつつさらに整形する作業)、荒仕上げ、土置き(焼刃土を塗り冷却スピードを調整することで部位によって硬度差をつける作業)、焼入れ(焼いてさらに硬化させる作業)、鍛冶押し(研いで形を整える作業)、中心仕立てなど20以上の工程を踏みます。その後、研師や鞘師、白銀師など9〜10人の職人の手を経て完成します。

現在、日本刀の製造には文化庁の許可が必要なうえ、「美術品として価値のあるもの」以外は作ってはいけない、年間で1人24振りまでしか作ることができない、というルールが設けられています。そのため、刀鍛冶職人は日本刀の製造だけでは生計が立てられないのが一般的で、包丁やナイフなど他の商品も製造している場合が多いです。純粋に日本刀のみを制作している刀鍛冶屋は全国に30人ほどと言われています。

刀鍛冶職人になる方法と求人状況。入門はハードル高し

鍛冶 職人 募集

刀鍛冶職人になるには、学歴や職歴は関係ありませんが、刀匠資格を有する刀鍛冶の下で5年以上修業し、文化庁主催の「美術刀剣刀匠技術保存研修会」を修了する必要があります。研修会は8日間にわたって開催され、技量がなければ修了できません。

しかし、その前段階でクリアしなければならない最大の難関が、入門先探し。全日本刀匠会では、刀鍛冶を目指す人に向けて「美術刀剣作刀技術実地研修会」を実施したり、適性があれば体験入門や入門先の紹介などをしていますが、実際に入門できるのはごく一握り。刀匠資格を持つ職人たちも超高齢化が進んでおり、弟子を取ることには消極的な人が多いです。

そして入門してから大きな問題になるのが、体力と金銭面。刀鍛冶は重いものを運んだり、鋼をひたすら叩いたりとかなりの体力が求められる仕事。強い気持ちを持っていても途中で挫折する人がいるほどです。そのため、工房によっては、30歳以下など年齢制限を設けているところもあります。

また、修行中の給料はゼロのため、入門する前に少なくとも5年以上は収入なしで暮らしていけるだけの蓄えをしておく必要があります。家賃や食費などの生活費に加えて、入門先によっては、材料費や施設使用料等が月3万円ほどかかるところもあります。そしていざ、修業を経て、文化庁主催の美術刀剣刀匠技術保存研修会を修了し、師匠の許可を得て独立したとしても、作業場を一から作るには約1000万程度の資金が必要だと言われています。

ここまで聞くと、刀鍛冶は途絶える日も近いのでは…と思ってしまいますよね。
ですが、日本刀は世界的に認められる最高級の美術工芸。絶やすわけにはいくまいとの機運も高まっており、近年、後継者育成のための補助金制度が設けられたりしています。見習いの鍛冶職人を雇う事業者への人材育成補助金や、職人が独立して工房建設する際に活用できる補助金などがあり、実際これらを利用して、なんとか独立まで果たした若い職人もいます。また、さらなる支援を求めて、2018年6月に文部科学省へ「日本刀文化を守るため職人の育成予算拡充などを求める要望書」が提出されました。求人はかなり厳しい現状ではありますが、国や自治体も主体となって、なんとか継承への道を模索しているところです。

今ではとっても希少!鋏鍛冶職人の仕事

続いては、鋏(はさみ)鍛冶職人の仕事。こちらも今では職人が少なく、後継者不足に陥っています。まずは歴史と仕事内容から見ていきましょう。

鋏鍛冶職人の歴史と仕事内容

日本 鍛冶 職人

鋏鍛冶屋は、江戸時代までそれほど多くありませんでしたが、江戸末期から明治にかけて一般庶民にも鋏が普及しはじめ、鋏鍛冶屋が増えていきました。明治時代に衣服が洋装になり、鍛冶屋が裁ち鋏を作るようになったことがきっかけだそう。時を同じくして、明治9年に廃刀令が出されたことにより、多くの刀鍛冶屋が鋏鍛冶屋に転身したとも言われています。しかし昭和30年ごろになると、包丁の場合と同様に、機械化による大量生産が進み、鋏鍛冶屋は減少していきました。今、伝統の技を受け継ぐ鋏鍛冶職人は、全国に数人ほどしかいないと言われています。

鍛冶屋 求人

伝統的な鋏鍛冶屋では、刃から柄まですべて叩き出しで作る「総火造り」という伝統的な製造方法が受け継がれています。製造工程としては、まず、鉄を温めて柔らかくし、持ち手部分から叩いて成形していきます。そして、刃の部分は、包丁と同じく鋼を鍛接し、叩いて形を整えます。その後、刃付けと研ぎの作業を行い、焼入れ・急冷によって硬度を高めます。刃を研磨して仕上げ、2つのパーツを目釘で組み合わせて調整して完成です。総火造りの鍛冶屋では、1人の職人がすべての工程を手がけるのが基本。日ごとに少しずつ工程を進めるのが一般的です。

後継者不足が深刻。鋏鍛冶職人の求人状況

鋏 鍛冶屋

鋏鍛冶職人になるには、先にご紹介した包丁鍛冶屋と同様に、師匠となる職人のもとで修業して技術を身につける必要があります。学歴や職歴は関係ありません。鋏鍛冶屋は、すべての工程を一人で行えるようになるまでに、10〜15年はかかるとされています。

ただ、鋏鍛冶職人も超高齢化により、弟子を取る工房が少なく、求人情報はほぼないのが現状です。日本で有名な鋏の産地というと、兵庫の播州刃物、高知の土佐刃物、鹿児島の種子鋏など。弟子入りを希望する場合は、工房か組合へ直接問い合わせしてみましょう。

新しい鍛冶屋の形。インテリアやオブジェなど制作する鍛冶職人の仕事

現代の鍛冶屋は、伝統的なものを作るだけではなく、その技術を活かして新たな商品づくりに挑戦している人もいます。まずは、どんなものを制作しているのか、仕事内容からご紹介していきます。

インテリア・エクステリアを作る鍛冶屋の仕事

家具屋 アイアン

鍛冶屋というと、先にご紹介したような伝統的な刃物鍛冶をイメージする人が多いかと思いますが、現代の暮らしに合わせて家具やオブジェなどを制作している職人もいますよ。例えば、鉄を用いたテーブルやチェア、照明、表札、門扉、建築金物など。赤く熱した鉄を金槌で打つ鍛造の技を活かし、アイアンならではの素材感を活かした商品が制作されています。職人によって商品のテイストは様々で、昔ながらの無骨な作品を作る職人もいれば、西洋のロートアイアンのような繊細な作品を作る職人も。個々の作品性を追求するアーティストのような活動をしつつ、オーダーでの注文も受け付けているという職人が多いです。

また、こういった鍛冶屋は、工房を1人で運営しているような小さな規模のところが主流で、商品制作をしつつ、流通まで手がけるのが一般的。製造過程だけでなく、ネットショップや展示会などでの販売まで携わることで、ユーザーの声を拾い上げ、作品の幅を広げている人が多いです。

インテリア系の鍛冶屋の求人状況・目指し方

鍛冶屋 照明

インテリアやオブジェなどを制作する鍛冶屋になるにも、まずは師匠となる鍛冶職人に弟子入りして技術を学ぶのが基本です。ただ、こちらもあまり求人情報はありません。気になる作品を見つけたら、制作元の工房へ問い合わせしてみましょう。

鍛冶屋 家具

また、鋳造を行う鍛冶屋ではなく、溶接などで商品を制作する鉄工所や家具屋であれば、求人はより見つかりやすいです。鍛冶屋というよりは、鉄を使った家具や什器制作に興味があるという人は、ぜひ鉄工所や家具工房も含めて調べてみてください。

鍛冶屋 インテリア

また、日本の刃物鍛冶技術は、世界的に高く評価されていますが、インテリアや建築金物などの鍛冶の技術はヨーロッパが本場。職人として腕を磨くために、ドイツやオーストリアといったヨーロッパの国々で修行するという職人もいますよ。いきなり留学というのはハードルが高いですが、日本で何年か修行を積んだ後、渡欧してさらに修行するというのも一つの道。将来的にどんな鍛冶屋になりたいかイメージしつつ、視野を広くもって考えてみてくださいね。

工事現場で活躍する鍛冶工の仕事

さて次は、今までとガラリと変わって、工事現場で活躍する鍛冶工の仕事について簡単にご紹介しておきます。先にご紹介してきた鍛冶屋と仕事内容は異なりますが、こちらも鋼や鉄を使った作業に関わります。それでは、仕事内容から見ていきましょう。

建設業の鍛冶工の仕事内容

鍛冶工

建設業の鍛冶工の仕事は、鋼や鉄材の運搬や切断、加工、塗装、設置場所への取付けなどがあります。建築の基礎となる鉄骨は、現場に届いた時点ではカットされていない状態。それを鍛冶工が設計図に基づいて正確に切り出し、組み上げます。さらに、鉄骨同士や固定したボルトなどをしっかりと溶接し、強度をさらに高めていきます。そして、基礎だけでなく、手すりや外部階段などの建築金物の制作や設置も幅広く手掛けます。建設現場のあらゆる鉄製品に関わる仕事です。

鍛冶工の求人状況・目指し方。必要や免許や資格も解説

建設 鍛冶

鍛冶工になるには、未経験からスタートし、熟練の職人のもとで経験を積むことから始まります。現在は災害復興やオリンピック需要で建設業の求人が多いため、未経験歓迎の鍛冶工の求人も見つかりやすいです。ただし、鍛冶工の仕事は、高所作業や重い建材の運搬などを伴う危険の多い仕事。気の緩みが大事故につながるため、自ら安全管理できる人、体力のある人でなければ向いていません。

未経験でスタートする場合、初めは先輩となる職人を補助するところから始まります。鍛冶工は身につけるべき知識や技術が多いのが特徴。玉掛け(クレーンに物を掛け外しする作業)をする際のワイヤーロープの種類や、使用する鉄板やパイプの種類、さび止めや仕上げ塗装をする際の塗装の種類など、覚えることが膨大にあり、1年目は基礎的な知識を付けることに費やします。その後、徐々にガス溶接やアーク溶接などの技術も学んでいきます。

鍛冶工は、クレーン・移動式クレーン運転免許、玉掛け技能講習、溶接資格(ガス溶接技能者やアーク溶接作業者など)などの資格を持っていると有利。資格があるほど従事できる仕事の幅が広がるので、現場で経験を積みつつ、ステップアップとして取得していくのがおすすめです。

鍛冶屋の求人を探す前に。平均給与や働き方、注意点を知ろう

鍛冶屋は身近でない仕事なだけに、その働き方がイメージしにくい職業です。働き始めてから後悔しないよう、求人に応募する前に、それぞれの職人の待遇や注意点について押さえておきましょう。

鍛冶職人の給与・休日は?修行期間は厳しく、独立後は自分次第

鍛冶 職人 給料

鍛冶職人に弟子入りして学ぶ場合の待遇は、修行期間中は給与はなし、休みは週1日あるかないか、といったところが一般的。中にはアルバイトで生計を立てつつ、修行をする人もいますが、アルバイトを許してもらえるかは弟子入り先次第。給与が出ないのだからしょうがないと理解を示す職人もいれば、修行とアルバイトは両立できないと考える職人もいます。そのため、アルバイトしながらでないと生活が厳しいという人は、面接時から前もって相談しておくことをおすすめします。

また、修行とアルバイトを並行して行う場合、早朝から夕方までは見習いとして修行、夕方から夜までアルバイトと、この上なく多忙な毎日を送ることに。心身ともに疲弊して挫折してしまう人もいるため、慎重に検討しておくことが必要です。

弟子入り後、一定の修行期間を経て技術を身につけ、師匠からのお許しが出れば、ようやく独立ができます。ただし、独立してから儲けが出るかどうかは自分次第。展示会に出品したり、体験教室を行ったりなど、いろんな方面から自分の技術や作品をアピールしていくことが必要です。独立してすぐは年収100万にも満たないという人もいますが、芸術品として価値が認められるようになれば、年収は上がっていきます。そして、ここまでくるのに、早い人でも10〜15年ほど。成功できるかどうか先の見えない仕事なだけに、並大抵でない根気と強い信念がなければ、続けられない仕事です。

また、職人に弟子入りという形ではなく、運良く正社員募集の求人が見つかれば、見習い期間中でも福利厚生や給与・休日などの待遇が安定している場合が多いです。鍛造を行う鍛冶職人の求人はほぼありませんが、刃物研ぎ職人や刃物の機械加工を行う職人、鉄製の家具職人であれば、比較的求人を見つけることができます。条件としては、見習い期間中の給与は14〜18万程度、休みは日曜のみのところが多いです。

建設業の鍛冶工の給与・休日は?経験によって差があり

鍛冶工 仕事

建設現場の鍛冶工の場合、未経験者の場合は日給10,000円程度から、経験者の場合は日給12,000円程度からスタートします。そこから経験を積み、技術を身につければ、日給15,000円〜18,000円程度まで昇級します。企業によっては、これに加えて年2回の賞与が支給されるところもあります。休日は、現場の状況にもよりますが、週に1日程度の場合が多いです。休みが少なく多忙な仕事ですが、その分の報酬はしっかりと得られる傾向にあります。

鍛冶屋の仕事は厳しい労働環境。気の緩みが大事故に

鍛冶 職人 体験

鍛冶屋の仕事は、高温の鉄材を扱ったり、重いハンマーを何度も振り落としたりと、危険と隣り合わせの仕事。特に夏場は、作業場は灼熱となり、集中力を保ちにくい環境で、力の要る作業を何度も反復して行わなければなりません。失敗すれば大火傷や骨折などの事故につながるため、基礎的な体力や集中力に自信のない人には向きません。

鍛冶職人は女性でもなれる?敬遠されがちでも実績はあり

鍛冶 職人 女性

鍛冶職人は、体力が求められるため、基本的に女性は敬遠されます。腕力のない女性だとどうしても男性よりもミスが起こりやすく、それが重大な事故につながるからです。しかしながら、女性は鍛冶職人になれないわけではなく、現に、鍛冶職人として活躍している女性もいます。女性でも鍛冶職人になるには、理解のある師匠を見つけること、女性であることがハンディにならないくらいの体力を身につけることが必要です。

鍛冶職人を目指すにあたっては、まずは鍛冶屋の仕事を体験してみて、自分の職人への向き不向きを確かめたいところ。鍛冶屋の職場体験は、希望の工房があればまずはそこに問い合わせてみるのがおすすめですが、インターネットから手軽に応募できるものとしては、次のようなサービスがありますよ。

鍛冶職人の仕事体験ができる!仕事旅行社の鍛冶屋体験ツアー

仕事旅行社が実施している「仕事旅行」は、様々な仕事の職業体験を提供しているサービス。現在、鍛冶屋の職場体験も募集されています。内容としては、職人に話を聞いたり、実際に職人に教えてもらいながら鉄のフライパンを作ったりと、みっちり1日がかりのスケジュール。直接話を聞いて体験ができるので、鍛冶屋として働くことのやりがいや難しさ、鍛冶仕事の面白さや過酷さなど、身をもって学ぶことができます。

仕事旅行社の体験ツアーは、鍛冶屋になりたい人ばかりではなく、単純に鍛冶屋のものづくりを体験してみたい人が多く参加するので、気軽に申し込みやすい雰囲気です。参加費は1人21,600円と決して安くはありませんが、制作したフライパンは一生ものですし、百聞は一見にしかず。気になる人は以下から詳細をチェックしてみてくださいね。

>仕事旅行社「鍛冶屋になる旅」のページはこちら

最後に

伝統的な鍛冶屋の仕事は、まさに風前の灯の状態。後継者となる職人と、それを受け入れる体制が早急に必要とされています。鍛冶屋の厳しい現実を受け止めたうえで、それでも職人になる自信があるという人は、ぜひ工房や組合へ問い合わせをしてみてください。きっと熱い気持ちは伝わるはずです。

また、日本の伝統工芸を支えていくのは、作り手である職人だけではありません。伝統工芸品の流通や広報などに関わる職人以外の職種もありますよ。詳しくは、「伝統工芸にまつわる求人探しコツ。日本の手仕事の世界を知ろう」の記事でご紹介しています。気になる方はぜひこちらもご覧ください。

番外編:茨城県の仕事を探している方へ!家具製作・リペア職人の求人もあり

茨城 鍛冶屋

鍛冶屋の仕事からは少し離れますが、ものづくりの仕事がしたいという方にぜひご紹介したい仕事があります。それは、茨城県にあるアンティーク家具屋のリペア職人。日本や西洋のアンティーク家具をリペアしたり、オリジナル家具を製作するのが仕事で、鉄製の家具も取り扱っています。昔ながらのものづくりや家具に興味がある人なら、きっとやりがいを持って取り組める仕事ですよ。気になる方は、ぜひ以下から詳細を見てみてくださいね。

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私たちラフジュ工房は、古い家具を職人の手できれいにリペアすることで、古いものならではの味わいはそのままに、日常の中でも不都合なく使っていけるアンティーク家具を販売しています。
家具職人を目指している方、ものづくりに関わる仕事に興味がある方、少し変わった仕事がしてみたい方は、ぜひラフジュ工房で働いてみませんか?

 

【アンティーク家具 ラフジュ工房でのものづくり】

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ラフジュ工房での仕事は、決して楽ではないというのが正直なところ。技術も努力も、自分で考えて進む力も必要で、誰にでもできる仕事ではありません。しかし、だからこそやりがいのある仕事でもあります。最初はできないことが多くても、真面目にコツコツ努めていけば必ずできることが増えていきます。アンティーク家具に真剣に向き合い勤勉に仕事に励んでくれる方、お待ちしています。


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