格子戸の魅力と選び方を解説!古民家や和モダン住宅に人気の理由

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格子戸の魅力と選び方を解説!古民家や和モダン住宅に人気の理由

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格子戸

古民家や和モダンな住宅のリノベーション特集で、必ずと言っていいほど登場する「格子戸」。昔ながらの伝統的なデザインで、取り入れ方次第でレトロにもモダンにも仕上げられる和風の建具として人気です。住宅のリフォームを予定している方なら、古くなった玄関ドアや和室の襖を格子戸に取り替えてみようかとか、リビングの間仕切りや目隠しに格子戸を使ってみようかなど、すでに想像が膨らんでいるかもしれませんね。

ただ、実際に格子戸を取り入れるとなると、板張りのドアや引き戸と違って、なにかメリットやデメリットがあるのか疑問ではないですか?また、いざ格子戸が欲しいと思っても、新品からアンティークや中古品まで商品数が多く、デザインや価格帯も幅広いので、どの格子戸にするか選ぶのに苦労しますよね。

そこでこの記事では、格子戸の基本知識をはじめ、デザインや価格、作りといった視点から用途にあった格子戸を選ぶコツをご紹介したいと思います。新品からアンティーク品・中古品まで含めて幅広く解説しますので、条件に合う格子戸はどんなものか見えてくるはずですよ。新品と中古品の格子戸の違いや、古くても実用的な格子戸を選ぶポイントについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。記事の後半では、格子戸を使ったインテリア例をご紹介します。格子戸の取り入れ方や家具とのコーディネートに迷っている方はそちらも要チェックです。

それでは、格子戸選びに入る前に、まずは格子戸の基本的な特徴を押さえておきましょう。格子戸ならではの特性を知ることで、ご自身のお宅に格子戸が合うか、どんな風に取り入れるかイメージしやすくなりますよ。

Contents

古民家や和室リノベーションに人気の格子戸。メリット・デメリットをご紹介

格子戸とは、その名の通り木材を縦横の格子状に組んだ引き戸や扉のこと。格子の縦方向の線材のことを竪子(たてこ)、横方向の線材のことを貫(ぬき)と呼びます。一言で格子戸といってもその種類は幅広く、竪子が前面にズラリと並んだものや、すっきりと貫のみが付いたもの、竪子と貫がマス目状に組まれたモダンなものなど様々です。

格子戸が支持される理由は、その伝統的な美しいデザインに加えて、格子特有の3つのメリットがあります。

格子戸の3つのメリット。通気性の高さ・明かりの演出効果・閉塞感の低さ

格子戸 建具

格子戸の1つ目のメリットは、戸を閉めていても通気性が保たれること。ガラスや障子が付いていない吹き抜けの格子戸に限りますが、格子の隙間から風が通るので、通気性を保ちたい部屋の引き戸やパーテーションに最適です。また、玄関に二重扉にして取り入れれば、格子戸を閉めたままで風が通るので、防犯性を確保しつつ夏場でも涼しく過ごすことができます。

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2つ目のメリットは、閉塞感がないまま間仕切りや目隠しができること。風や光を通すので、襖や板戸など板張りの扉と比べて閉塞感が生まれにくく、格子が適度に空間を分け、視線を遮ってくれます。

格子戸 ガラス

3つ目のメリットは、格子戸を通して繊細で美しい明かりを演出できること。昼間は日光が射すと、格子状の光が部屋の中に美しく降り注ぎます。夜は格子の隙間から室内の明かりが外へ漏れ、家や格子戸自体を幻想的に浮かび上がらせます。

格子戸のデメリットは、お手入れ面。格子にホコリが溜まりやすい

格子戸 掃除

逆に、格子戸のデメリットを挙げるとすると、格子の隙間や隅にホコリが溜まりやすいこと。気になる方はエアースプレーなどを使ってこまめに掃除をするか、格子が細かすぎないものを選ぶ方が良いでしょう。お手入れが面倒だという場合は、格子戸ではなくガラス戸や板戸にする方が良いかもしれません。デザインとお手入れのしやすさと天秤にかけながら検討してみてください。

また、通気性が良いことはメリットでもありますが、玄関などで気密性を確保したいところではデメリットにもなり得ます。格子戸の特性を活かせる場所に取り入れることが大切です。

さて、格子戸の基本的な特徴を知ったところで、次は格子戸のデザインの種類をご紹介していきます。

格子戸は大きく8種類。どんなデザインがあるか押さえよう

格子戸のデザインは、大きく8つに分かれます。それぞれの特徴や、特定の呼び名をご紹介しますので、格子戸探しの参考にしてみてください。

古民家や町屋でよく見かける縦(竪)格子戸。縦桟の間隔によって呼び名が様々

縦 格子戸

細い竪子が整然と並んだ、縦格子戸。縦のラインが均等に並んだデザインで、伝統的な和風のテイストや和モダンなインテリアなどに人気の種類です。玄関や室内の引き戸、パーテーションなどに幅広い場所に用いられます。

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縦格子戸の中でも、竪子の間隔が細かく作られたものは、千本格子戸や万本格子戸、または竪繁(たてしげ)格子戸などと呼ばれます。文字通り、千本格子戸よりも万本格子戸の方が竪子の密度が高いものを指します。格子戸は、竪子が細かいものほど作りに凝った上等品とされ、高値で販売されています。格子が密なものは、遠くから見ると1枚板のようにも見え、なんとも繊細で上品なデザインです。高級感のある和モダンなお部屋におすすめですよ。また、細かい格子のマス目は、古くから子孫繁栄の意味が込められており、縁起の良い文様とされています。

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一方、縦格子戸の中でも竪子の間隔が広いものは、上品というよりは、レトロで素朴な印象のものが多いです。古民家や昭和レトロなカフェなどによく使われている和風の建具で、高級感というよりは親しみやすさが感じられます。竪子や貫が少なくガラス面が広いものは、ガラス戸と呼ばれたりもします。

格子戸 種類

他にも縦格子戸の中には、幅のある平たい竪子が並んだ平格子戸や、格子が丁寧に面取りされた面取り格子戸などもあります。ざっくり言うと、格子が太いものは堅牢でどっしりとした印象のものが多く、格子が細くて密なものや面取りされたものは、繊細で美しい印象を受けます。格子の形ひとつで空間の印象が変わるので、目指すインテリアイメージに応じて選んでみてください。

昭和レトロな横格子戸。アンティークだとガラス面が広いものが主流

格子戸 レトロ

横方向の貫を中心に構成された、横格子戸。横方向に貫が並んだデザインは、空間の横の広がりを強調する効果があり、部屋を広く見せてくれます。新品の横格子戸だと、貫が細かく並んだ作りのものも多く販売されていますが、アンティークなどの古い建具だと、縦格子戸のように桟が細かいものはなく、格子が少なくガラス面が広いものが一般的です。

注意点として、横格子戸は縦格子と比べてホコリが積もりやすく、特に貫の数が多い場合はお手入れに手間がかかる可能性も。広いスペースに格子戸を取り入れたい場合は、縦格子戸の方がメンテナンスが楽です。

マス目状に縦横の格子が組まれた枡(ます)格子戸。玄関や門扉に人気

和風 格子 戸

マス目状に竪子と貫が組まれた、枡格子戸。縦横均等に並んだマス目が美しく、和洋どちらにも合わせやすい格子戸として人気です。枡格子戸は新品だと格子戸の中でも一般的な種類ですが、古い建具だと格子戸というよりは蔵戸に多いデザイン。蔵戸のように分厚い材で組まれたマス目格子は、風や光を通す作りでありながら、高い強度があるのが特徴です。豪勢で迫力のあるデザインが多く、特に玄関や門扉として人気があります。

住宅 格子戸

室内用のアンティーク枡格子戸には、古い障子戸の障子の代わりにガラスをはめ込んでリメイクした格子戸もあります。こちらは昔ながらの和風のデザインはそのままに、障子よりもメンテナンスが楽なのがポイント。和室や縁側など、和の空間のリフォームに人気の建具です。

不規則に格子が並んだ変わり型格子戸。和風インテリアのアクセントに

和室 格子戸 デザイン

竪子と貫が変則的に組まれた、変わり型の格子戸。長さや幅が異なる竪子や貫を組み合わせて作られており、格子の間隔もまちまちです。格子のデザインによってレトロなものからモダンなものまで幅広く、古民家や新築など様々な場所に使われています。こちらは吹寄せ格子戸と呼ばれる種類で、竪子を2~4本くらい間隔を寄せて、両脇に余白をもたせた遊び心のあるデザインです。

格子戸 扉

こちらは、親子格子戸や切子格子戸などと呼ばれる種類のもの。長さや太さの違う2種類の桟が一定のリズムで組まれたデザインです。この種類には、竪子がメインの縦格子戸や、マス格子戸のようなデザインがあります。親子格子は、もともと京町家の外壁などでよく見かける格子の一つ。新品の格子戸ではよく見かけるデザインですが、アンティークの引き戸や扉ではあまり見かけないデザインです。

格子戸 組子

他にも、縦横の格子に中に、草木や風景をモチーフとした組子細工を取り入れた個性的なアイテムもあります。変わり型の格子戸は、縦格子や横格子など単調な格子戸と比べて、存在感のあるものが多いので、建具を和の空間のアクセントとして取り入れたい方におすすめです。

ガラスや組子などの帯が付いた帯入り格子戸。室内の引き戸や間仕切りにおすすめ

格子戸 室内

続いては、先にご紹介した縦格子戸や枡格子戸などに、ガラスや組子細工の帯が入った、帯入り格子戸をご紹介します。帯があると、より採光性が確保でき、隣の空間とのつながりを感じることができます。リフォームに人気の建具で、今まで襖だった和室を帯入り格子戸にして空間を広々と見せたり、縁側の引き戸を帯入り格子戸に変えて室内を明るくしたり、といった用途に使われます。

帯入り格子戸は、帯の種類が4つあります。それぞれの特徴をご紹介していきます。

格子戸の定番!人気のガラス帯入り格子戸

帯入り格子戸の中でも一番多いのが、クリアガラスやダイヤガラスといったガラスが入ったデザインのもの。ガラスの種類によって、建具の印象や奥の空間の見え方が異なります。ダイヤガラスや色ガラスといった、レトロガラスが使われた帯入り格子戸は、新品にはほとんどなく、アンティーク品が主流です。アンティークショップやオークションを中心に探すと見つかりやすいですよ。

和室 格子 戸

和風の中でもシンプルなインテリアが好みなら、クリアガラスやすりガラスが入った帯入り格子戸がおすすめです。クリアガラスだと、向こう側がはっきりと見通せるので空間が広々と見え、すりガラスだと外側からの視線を遮って、プライベートな空間を作ることができます。

格子戸 和モダン

レトロなテイストが好きな方には、ダイヤガラスやモールガラスなどが使われたもの人気です。ガラス越しの風景が揺らいで見えて、ノスタルジックな雰囲気を演出してくれます。

格子戸 間仕切り

一風変わった帯入り格子戸にしたいなら、文様が入ったガラスのものがおすすめです。市松模様や花菱柄など、伝統的な文様が描かれたレトロなガラスが入っています。格子戸の向こう側が白い壁だと模様がそれほど目立ちませんが、色味があると模様がはっきりと見えます。模様がびっしりと入ったものは視線を遮る効果もあるので、目隠ししたい部屋の建具におすすめです。

和洋折衷のデザイン。大正ロマン風の色ガラス入り帯入り格子戸

格子戸 モダン

こちらは色ガラスが使われた帯入り格子戸。和風の格子戸をアレンジしたような、和洋折衷のデザインです。華やかな色ガラスが入ることで、大正ロマン風の粋な雰囲気が楽しめます。和風と洋風どちらのインテリアも楽しみたい方におすすめです。

格子戸 アンティーク

色ガラス帯入りの格子戸の中には、縦格子戸のタイプも。こちらは和の印象が強く、大正ロマンというよりは、レトロなテイストが似合う佇まいです。古民家インテリアのアクセントとして活躍しますよ。控えめに入った色ガラスが上品で素敵ですね。

格子戸 洋風

色ガラスが使われた帯入り格子戸はとても珍しく、なかなかお目にかかれません。そのため、色ガラスの格子戸が欲しい場合は、格子の中に色ガラスが使われているアイテムも選択肢に入れて探すのがおすすめ。様々な色やデザインのものがあり、好きなアイテムが見つかりやすくなるはずです。こちらは、デザインにもよりますが、格子戸というよりはガラス戸と呼ばれることも多いので、インターネットで探す際はそのキーワードでも検索してみてください。

日本伝統の職人技が詰まった、組子細工の帯入り格子戸

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帯に繊細な組子細工が施された、帯入り格子戸。格子だけでも和風の印象を受けますが、組子が入ることでさらに上品な和の雰囲気がプラスされます。組子細工の帯入り格子戸は、新品、アンティーク品ともにあまり数が多くありません。アンティークだと1点ものですので、気に入ったものを見つけたらぜひお早めにご検討ください。

シックな和モダン建具。板戸に格子が入った帯入り格子戸

格子戸 板戸

続いては、板戸の帯部分が格子になった格子帯戸。今までご紹介した格子戸とは違うパターンですが、広く格子戸に含まれる建具です。こちらはアンティークにはよくあるデザインですが、新品ではあまり取り扱いがありません。

格子帯戸は採光や通気性という点では格子戸に劣りますが、板戸ならではの古い木の風合いや重厚感を楽しめるデザインです。シックな和モダンテイストのお部屋におすすめですよ。また、板部分の面積が広いので、格子戸よりも空間をしっかり仕切りたい場合に向いています。

ガラス越しの風景を楽しむ。縁側に人気の額入り格子戸

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格子の中央にガラスの額が付いた、額入り格子戸。ガラスが縦に長いものは縦額格子戸、横に長いものは横額格子戸と呼ばれます。横額格子戸は、帯ガラス入りの格子戸と似たデザインが主なので、帯入り格子戸にまとめられることも多いです。額入りのものは障子戸だとよく販売されていますが、格子戸のタイプは新品でもアンティーク品でも珍しいです。

額入り格子戸は、座位で外の風景を楽しみやすく、縁側の引き戸として人気です。また、他の格子戸と比べて採光性にも優れていて、室内を明るく保ちやすいのが特徴です。額に入っているガラスの種類としては、新品だとクリアガラスなどシンプルなガラスが一般的。アンティーク格子戸の中には、ガラス周りにレトロな柄が入ったものや、アンティークガラスが使われているものあり、ガラス自体のデザインも楽しめます。

ペイントしてリメイクした、モダンな洋風格子戸

格子戸は木味そのままのものや着色ワックスで仕上げたもの、黒く燻したものなど、木の素材感を活かしたものが主流です。しかし、アンティーク格子戸の中には、ペイントでリメイクしたモダンな格子戸もあります。通常の格子戸と比べて古い質感や和の要素が抑えられたものが多く、新築や洋風のインテリアとも合わせやすい建具として人気です。

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黒やグレーなど暗めの色でペイントしたものは、格子戸らしい和風のテイストを残しつつ、よりシンプルでモダンな印象に。家を和モダンテイストにリノベーションしたい方におすすめの建具です。

格子戸 ペンキ

白やアイボリーなど淡い色合いでペイントされたものは、和風というよりもナチュラル系や洋風のインテリアにマッチするデザイン。より幅広いインテリアコーディネートを楽しめます。

ひと通り格子戸の種類をご紹介しましたが、好みのデザインは見つかったでしょうか?
デザインによっては、新品でしか見つからないものや、アンティークならではのものもありましたね。欲しい格子戸を見つけるには、まずはどちらかに限定せずに幅広く探すのがおすすめですよ。

デザイン別にご紹介!既製品の格子戸価格帯とオーダーメイド価格

格好きなデザインの格子戸を見つけたら、やはり価格も気になるところ。ここでは、新品とアンティーク格子戸、オーダーメイドの格子戸のおおよその価格帯をご紹介します。

価格は建具1枚当たりで算出したものです。新品の格子戸は、玄関用と室内用がある場合は分けて記載しています。アンティークの格子戸は基本的に室内用のもので用途が区別されていませんので、まとめて記載しています。それぞれ簡単に傾向をまとめていますので、参考にしてみてください。

縦格子戸の価格帯

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  • 新品の玄関用格子戸 10~40万
  • 新品の室内用格子戸 2~25万円
  • アンティーク品、中古品の格子戸 2~9万円

新品の縦格子戸の場合、断熱や防犯など機能性に優れたものほど価格が高くなる傾向にあります。玄関用格子戸でも古い型落ちのものであれば、3~4万円前後のものも販売されています。

アンティークの縦格子戸は、千本格子戸など作りが良いものほど高価です。縦格子戸は、他の種類の格子戸と比べて簡素な作りのものから凝った作りのものまで種類が幅広く、その分価格帯にも幅があります。

横格子戸の価格帯

格子戸 横

  • 新品の玄関用格子戸 10~25万円
  • 新品の室内用格子戸 3~15万円
  • アンティーク品、中古品の格子戸 1.5~4万円

縦格子戸と同じく、新品の玄関用の機能性に優れた格子戸は、価格が高いです。室内用やアンティーク・中古の格子戸は、縦格子戸と比べて作りに凝ったものが少なく、価格が安い傾向にあります。

マス目格子戸の価格帯

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  • 新品の玄関用格子戸 8~25万円
  • 新品の室内用格子戸 3~20万円
  • アンティーク品、中古品の格子戸 3~5万円

新品のマス目格子戸は、和風から洋風までアイテム数が多く、様々なショップで取り扱いがあるため、価格帯が幅広いです。

アンティークの場合は一般的な室内用タイプだと上記の価格ですが、蔵戸タイプだと価格帯が6~23万円程度です。ただし、工芸的・歴史的価値の高い蔵戸は、桁違いに高価なものもあり、建具単体で50万近くするものもあります。

変わり格子戸の価格帯

格子戸 古材

  • 新品の玄関用格子戸 10~20万円
  • 新品の室内用格子戸 3~13万円
  • アンティーク品、中古品の格子戸 2~4万円

変わり型の格子戸は、新品とアンティーク、中古品ともにあまり種類が多くありませんが、デザインによって価格がまちまちです。先に紹介した3種と比べると価格が安めです。

ガラス帯入り格子戸の価格帯

続いては、ガラス入りの帯入り格子戸の価格帯について、ガラスの種類ごとにご紹介します。こちらの価格は、ガラスの種類というよりは、格子の密度など作りの違いによって差があります。上質に作り込まれたものほど高価です。

新品の格子戸は、室内用でクリアガラスが使われたものが主流ですので、そちらのみ記載しています。

クリアガラスやすりガラス帯が入った格子戸

格子戸 値段

  • 新品の室内用格子戸 13~40万円
  • アンティーク品、中古品の格子戸 2~6万円

室内用、アンティーク・中古品ともに、作りの質が良いものほど高い傾向にあります。

ダイヤガラスやモールガラス帯が入った格子戸

古建具 格子戸

  • アンティーク品、中古品の格子戸 3~6万円

クリアガラスが使われたものと、それほど大きな価格差はありません。

文様入りのガラス帯格子戸

格子戸 古民家

  • アンティーク品、中古品の格子戸 4~8万円

他のガラスと比べて、少々価格が高い傾向にあります。

大正ロマン風の色ガラス帯入り格子戸

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  • アンティーク品、中古品の格子戸 3~7.5万

色ガラスの大きさやデザインによって価格に差があります。また、当時ものの色ガラスが使われているものは希少価値が高いため、高値で販売されています。

ここからご紹介する格子戸は、アンティーク・中古品として販売されているものがメインのため、アンティーク・中古品の価格帯のみご紹介します。

組子細工帯入りの格子戸の価格帯

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  • アンティーク品、中古品の格子戸 5万~6万

ガラス入りの格子戸と比べて価格が高いです。組子細工が緻密で作りが良いほど、価格が高くなります。

板戸に格子帯が入った格子帯戸の価格帯

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  • アンティーク品、中古品の格子戸 1.5万~3.5万

他の格子戸と比べて安い傾向にあります。

額入り格子戸の価格帯

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  • アンティーク品、中古品の格子戸 3~4万

他の格子戸と比べて流通している数が少ないですが、価格は他の格子戸と同程度で販売されています。

ペイントの洋風格子戸の価格帯

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  • アンティーク品、中古品の格子戸 3~4万

ペイント格子戸は、作りが精巧なものよりもレトロで素朴なものが多いので、それほど高価なものはありません。

既製品の格子戸価格は以上です。最後に、オーダーメイドの格子戸価格をご紹介します。オーダーメイドと聞くと既製品を購入するよりもハードルが高いイメージがあるかもしれませんが、探す手間が省けるうえ、場合によっては既製品とそれほど価格が変わらない場合もありますよ。ぜひ、賢く活用したいサービスですね。

オーダーメイドで格子戸を注文する場合の価格帯

格子戸 製作

  • 玄関の格子戸 10万~
  • 縦格子戸 5万円~数十万円
  • その他の枡格子戸や横格子戸など 3万円~数十万円

オーダーメイドの格子戸は、格子の作りが簡素なものや既製品に近いものだと安価なものが見つかります。ただし、デザインやサイズなど条件によって価格が高くなります。他にも、使用するガラスや引き手の種類、施工の有無などによって価格が上乗せされますのでご注意ください。オーダーする内容によって価格が幅広いので、何店舗か見積もりを取って進めることをおすすめします。

また、オーダーメイドだと新材を使って製作するショップがほとんどで、古材を使ったり、新材をアンティーク風に加工して製作しているショップはほぼありません。アンティークの格子戸が欲しいけど既製品で条件に合うものが見つからない、という場合は、古い格子戸のリメイクを依頼して購入するのがおすすめです。アンティークショップや建具屋によって、サイズやガラス交換などのリメイクを受け付けていますので、気になるアイテムがあれば相談してみましょう。

続いて、格子戸の価格を比較検討する際の注意点をご紹介します。

新品とアンティーク・中古品の格子戸価格を比較する際の注意点3つ

新品とアンティークや中古品の格子戸の販売価格は、前提となる条件が異なる点があります。価格面を比較しながら検討される際は、次の3つの点にご注意ください。

新品の格子戸は建具枠が含まれたセット価格が多い。アンティークは枠を別注する必要あり

格子戸 枠

新品の格子戸の場合、建具を取り付ける際に必要となる建具枠がセットで販売されていますが、アンティークや中古品の格子戸だと建具単体のみで販売されています。新品とアンティーク品の価格帯を見比べると、アンティークの方が安い傾向にありますが、枠の価格が含まれていませんのでご注意ください。枠がない場合は施工業者に枠を作ってもらうか、販売店に製作を依頼しましょう。ただし、販売店では枠の製作までは受け付けていない場合も多いため、事前の確認が必須です。

アンティーク格子戸で格安なものはDIY修理が必要。リペアされたものだと高品質で安心

格子戸 格安

アンティークの格子戸の中には、極端に格安で販売されているものもありますが、そういったものは状態や作りが悪いものが多いため、避けた方が無難です。古い建具は、基本的に歪みや傷みが生じているため、そのままの状態では使えません。そのため、アンティークショップでは建具をリペアして販売しているか、DIYなどで修理することを前提にそのままの状態で販売しています。プロの手で使いやすいように丁寧にリペアされたものは、その分価格が高くなります。

DIYが得意な方で、ご自身で修理できる方ならいいですが、施工の際や使用するうちにトラブルが発生する可能性もありますので、できる限り信頼できるショップできちんとリペアされたものを購入されることをおすすめします。

複数枚セットのアンティーク建具は貴重で割高。気に入ったものがあれば早めにご検討を

古い建具 格子戸

3枚や4枚セットで販売されている格子戸は、1枚で販売されているものよりも価格が割安になりそうですが、アンティーク建具の場合は、セット販売されている建具の方が割高な傾向にあります。これは、古いものだと同じデザインの建具が揃いで残っているものが少なく、希少価値が高いためです。複数枚セットの商品で珍しいデザインのものは、特に競争率が高いので、お早めに検討されることをおすすめします。

裏側にガラスや障子が付いた格子戸もあり!作りの基本タイプは大きく3つ

さて、格子戸のデザインと価格について大まかに把握できたところで、次はもう少し詳しく格子戸の作りを見ていきましょう。格子戸は作りによって、格子の間から風が通る吹き抜けタイプと、裏面にガラスや障子が付いたタイプがあります。それぞれのタイプのメリットとデメリットをご紹介します。

通気性・採光性ともに優れた吹き抜け格子戸

格子戸 風

裏にガラスや障子などが入っていない、風が通るタイプの吹き抜け格子戸。抜き格子戸や風抜き格子戸とも呼ばれます。ガラスが入ったものと比べて軽量で、開け閉めしやすいのが特徴です。室内の引き戸やパーテーション、玄関前や玄関ホールなどに目隠しとして取り入れる方が多いです。

また、暑い地域などでは玄関に二重扉にして使われることもしばしば。夏は吹き抜け格子戸1枚にしておくと風が通って涼しく、防犯面も安心です。冬は、吹き抜け格子戸と引き戸と二重に扉を閉めて使うことで、気密性をしっかり確保することができます。

古民家リノベーションに人気。光だけを通す裏ガラス入りの格子戸

格子戸 メリット

続いては、裏面にクリアガラスやすりガラスが入ったタイプの裏ガラス入り格子戸です。ガラスがある分、風をシャットアウトして光のみを通します。商品によっては、ガラスが入った枠が慳貪(けんどん)式になっていて、取り外しできるものもあります。慳貪式だと、風通しを良くしたい時やお手入れする際などに、その時々に応じて自由に取り外せるので便利です。

格子戸 すりガラス

すりガラスが入ったものは、吹き抜けタイプやクリアガラスが使われたものよりも目隠し効果があります。採光性はそのままに、空間をしっかりと仕切ることができますよ。すりガラスが使われたものは、表面から見るとそれほど印象は変わりませんが、裏面から見ると、格子がすりガラスで隠れてまた違った印象に。格子戸は両面とも目にする機会が多いので、すりガラスの格子戸を選ぶ場合は、裏から見た姿もチェックして買うのがおすすめですよ。

通気性・保温性の高さがメリットの裏障子。光を拡散させて、ふんわりと明るい室内に

格子戸 障子

3つ目は、裏面に障子を貼る枠が付いた、裏障子付きの格子戸。障子はすりガラスと同じく、空間をよりしっかりと目隠ししたい時におすすめの建具です。ガラスと異なるのは、通気性や調湿性、保温性に優れていること。建具に取り入れれば、夏は通気性を保ちつつ湿気を吸収し、冬は保温性に効果を発揮します。また、障子は直射日光を和らげたり、室内の明るさを均一に保つ効果も。部屋の空気や明るさを快適にしてくれる優秀な素材です。また、ガラスよりも軽いので、開け閉めが楽なのもメリットですよ。

格子戸 構造

裏障子付きの格子戸も、枠が慳貪式で取り外しできるものがあります。こちらは別名で大阪格子戸と呼ばれます。裏障子付きの格子戸は、障子が貼られた状態で販売されているものと、障子がなく枠のみのまま販売されているものがあります。

格子戸 リメイク

また、もともとは裏障子戸だったものに、障子の代わりにガラスをはめ込んでリメイクしたアイテムもあります。裏ガラス入りの格子戸と機能性はほぼ同じで、障子だとメンテナンスが心配な方におすすめです。インターネットで探す場合は、一見するとどれがどのタイプかわかりにくいので、画像や説明文をよく確認して間違えのないようご注意ください。

腰板の有無や高さにも注目!格子戸の保護や目隠しに効果あり

格子戸 パーテーション

格子戸には、建具の下側に腰板と呼ばれる板が張られているものと、腰板がなく下まですべて格子のものの2パターンがあります。腰板があるものは腰板付き格子戸、腰付き格子戸などと呼ばれます。腰板付き格子戸のメリットは、傷や汚れがつきやすい建具の下部を保護できること、目隠し効果が高くなることの2つです。格子戸は他の建具と比べて特に繊細な意匠のものが多いため、大半の格子戸には腰板が付いています。腰板があるかないか、高さがどれくらいかによって、格子戸の印象や機能が異なりますので、簡単にそれぞれの特徴をご紹介します。

腰板の違いによるメリットデメリット。格子戸の印象や機能に差があり

格子戸 デザイン

腰板が高めの格子戸は、格子部分が傷つきにくく、視線をより遮りやすいのがメリット。デメリットは、板部分が広いため格子戸よりも通気性や採光性が低く、圧迫感があることです。

格子戸 購入

一方、腰板がない格子戸のメリットは、空間がすっきりと見えること。シンプルなデザインのものが多く、モダンなインテリアが好みの方にぴったりです。デメリットは、やはり建具の下部が傷む可能性があること。お子様がいるご家庭などでは注意が必要です。

格子戸 引き戸

腰板ありかなしか、どちらも選びがたいという方には、足元に控えめに腰板が付いた中間的なタイプがおすすめです。これなら通気性や採光を確保しつつ、下部を保護できる良いとこ取りのデザイン。格子戸の中ではこのタイプが最も主流なので、選択肢が幅広いのもうれしいポイントです。

腰板まで凝ったデザインの格子戸も。和室や古民家におすすめ

格子戸 和室

色んな格子戸の腰板を見比べていると、こんな和風の飾りが付いたおしゃれなデザインも。さりげなく和の雰囲気を演出してくれる、素敵な装飾です。こんな透かし彫りのようなデザインはなかなか珍しいですが、腰板にもそれぞれ個性があって面白いですよね。腰板の高さとデザイン、どちらもお好みに応じて検討してみてください。

新品とアンティーク・中古品はどう違う?どちらか迷った場合の選び方

さて、どんな格子戸がいいか条件がわかってきたところで、次は新品とアンティークや中古品、自分に向いているのはどちらか検討していきましょう。

新品とアンティーク・中古品のメリット、デメリット

格子戸 木

まずは、新品と古建具(アンティーク・中古品)のそれぞれのメリットとデメリットをまとめてみました。

新品格子戸のメリット

  • 防犯性、気密性、耐久性が高い
  • 規格品で施工しやすい
  • サイズ違いのものが選べる
  • 同じデザインの大量注文が可能

新品格子戸のデメリット

  • 趣に欠ける
  • 単一的なデザイン(他の家とかぶりやすい)
  • アンティークや中古品と比べて価格が高い
  • 着色なしのものが基本で、シックなインテリアには合わない。着色されているものは高価。

古い格子戸のメリット

  • 1点もので個性が出せる
  • 雰囲気のある伝統的なデザイン
  • 着色されているものが主流。漆塗りが施された高級品もある。
  • 新品と比べて安価なものが多い

古い格子戸のデメリット

  • 防犯性、気密性に劣る
  • 作りが良くないものは、耐久性が低い
  • 1点もののため、希望のサイズを探すのが大変
  • 規格品でないため、施工について早めに相談しながら進める必要がある
  • ドア枠がセットで付いていない
  • パーツ交換などリメイクが必要な場合がある

簡単に言うと、新品だと機能性や選びやすさに、アンティークだと雰囲気や価格面にメリットがあることがわかります。

また、古い建具のデメリットは、機能性や施工のしやすさに劣るところです。ですが、この古い建具のデメリットは、リメイクや施工準備でカバーできるものが多いですよ。具体的な対策法をご紹介しますので、そちらも踏まえてどちらにするか検討してみてください。

古い建具の機能性はリメイクや施工方法でカバー可能!3つのことに気をつけよう

古い格子戸を使いたい場合は、次の3つを実践すると機能性や施工のしにくさをカバーすることができます。

使いたい格子戸をピックアップして、早めから施工業者と相談する

格子戸 取り付け

古い格子戸は規格品サイズでないため、使う格子戸のサイズに合わせて建具周りを設計してもらわなければなりません。逆に言えば、設計段階からアンティークの格子戸を使いたい旨を相談しておけば、新品と同じように問題なく取り入れられます。また、リフォームやリノベーションで既設の枠に格子戸をはめ込む場合など、使える建具のサイズが先に決まっているなら、建具自体をリメイクして使える寸法に合わせるという方法もあります。どちらにせよ、施工業者の方と密に相談しながら進める必要がありますので、スムーズに進めるためにも、どの格子戸を使うか早めに検討しておきましょう。

古い格子戸はリペア次第で大きく変わる!信頼できる店舗で購入しよう

古道具 格子戸

アンティークや中古の格子戸は、きちんとリペアされたものでなければ、施工時に手直しが必要になったり、使用する上で耐久性や気密性を下げる原因になります。また、着色やワックスなどの仕上げ方によって、目に見えて質感が変わるので、家やインテリアのクオリティにも影響します。購入してから後悔しないためにも、ショップのウェブサイトや商品ページなどをよくチェックして、リペアや仕上げの質が高い店舗を選ぶようにしましょう。商品の状態が不安な場合は、購入前に一度店舗へ問い合わせてみるのもおすすめです。

格子戸 オーダー

ちなみにアンティークログを運営する「アンティーク家具 ラフジュ工房」で行っている建具のリペア工程をご紹介すると、まずは全体を丁寧に水洗いすることから始まり、必要に応じて全体をバラしながら歪みや傷みを取り除いていきます。全体を組み立ててきちんと水平垂直が出せたら、続いて着色・ワックスの工程に入ります。全体に色ムラが出ないよう、着色剤を流し入れた大きなプールに格子戸を一気に浸し、素早く拭きあげます。最後に全体にワックスを塗布して、隅々まで丁寧に磨き上げます。こうすることで、前面や側面、格子の細かな隙間まで、全体を一様に美しく仕上げることができます。このリペア方法は、1つ1つ手作業で時間と労力がかかるため、ここまで行っている店舗はなかなかありません。

必要に応じて、格子戸のリメイク加工を依頼する

格子戸 オーダーメイド

古い格子戸で防犯性や強度などに不安がある場合、一部をリメイクすることで、必要な機能を補うことができます。例えば、古い格子戸の防犯性を高めたい場合は、新品の鍵を取り付けたり、ガラスを防犯ガラスに交換するなどのリメイクが有効です。木工技術の高いショップであれば、希望に応じて鍵の取り付けやパーツ交換などの加工を受け付けています。商品や用途によって、リメイクする必要があるかどうかわからない場合も、一度ショップへ相談してみるといいでしょう。きちんとした店舗であれば、商品や施工方法について適切なアドバイスをしてくれるはずです。使用場所ごとに必要となる機能や対策については、次の8章の「使用場所別に解説!格子戸を選ぶ際の注意点とやるべきこと」で詳しくご紹介しますので、参考にしてみてください。

格子戸 ガラス交換

また、アンティークや中古の格子戸は、新品の格子戸と比べて希望のサイズやデザインを見つけにくのが難点です。この点についても購入時にリメイクを受け付けているショップであれば、格子戸のサイズ調整やガラスや引き手などのパーツ交換、着色リメイクなど、希望に応じて対応してくれます。加工費はかかってしまいますが、古い格子戸でもイメージ通りのものが手に入りやすくなりますよ。格子戸探しに苦戦している方は、リメイクすることも含めてご検討ください。

古い建具でも工夫次第で取り入れられることがわかったら、ますます新品とどちらにするか迷ってしまうという方もいるかもしれませんね。似たようなデザインでどっちにするか迷った場合は、次の基準で検討するのがおすすめです。

周りの空間と質感がマッチする格子戸を選ぼう。古くても新築に合うアンティーク格子戸もあり

リノベーション 格子戸

新品か古い建具か迷った場合、周りの空間と質感を揃えるよう心掛けると、失敗せずにコーディネートできます。例えば、古民家のリノベーションをする場合など、古い住宅に格子戸を取り入れるなら、やはりアンティーク格子戸の方がおすすめです。古いものならではの味があり、空間のクオリティがぐっと高まります。反対に、新築でツヤのある内装で仕上げる予定なら、新品の格子戸の方がしっかりマッチしやすいです。

格子戸 リフォーム

ただ、新築だけど古い格子戸を使いたいという場合もありますよね。そんな時は、アンティーク建具の中でも、着色してワックスで磨き上げられた格子戸を選んでください。古いものならではのシックな雰囲気は残しつつ、現代の住宅にも合うような程よいツヤ感があります。新築や真新しいインテリアにも馴染みやすいですよ。

使用場所別に解説!格子戸を選ぶ際の注意点とやるべきこと

格子戸は、玄関用か室内用かなど、取り入れる場所によって選び方や気をつけるべきポイントが異なります。また、アンティークや中古品の場合は、場所ごとに必要となる対策があります。当てはまるポイントをしっかり押さえていきましょう。

新品・中古どちらも必見!格子戸を外部扉として使う場合の選び方

はじめに、新品か古建具かに限らず、格子戸全般を外部扉として使う場合の選び方についてお話しします。まずは耐候性やメンテナンス性についてです。

玄関や門扉として木製格子戸を使う場合、退色が心配なら耐候性のある塗装だと安心

格子戸 門

玄関や門扉など、日光や雨風にさらされる場所で木製格子戸を使う場合、新品か中古品かに限らず、時間が経つにつれて退色や汚れが目立ってきます。できるだけ長くきれいな状態を保ちたければ、格子戸の中でも外部用塗装が施されたものを選びましょう。外部用塗装は、耐候性や耐水性、防カビ性があるので、日焼けや雨にも比較的強いと言えます。ただ、木製の建具を外部で使う以上、どんな建具でも退色や汚れからは逃れられません。定期的に掃除や再塗装をするなど、お手入れをしながら使っていくことが大切です。

格子戸 玄関

また、外部用塗装がされていないアンティークの格子戸などを外部扉として使いたい、という場合もありますよね。結論から言うと、室内用塗装の格子戸でも外部で使うことができます。外部用塗装と室内用塗装では、退色の度合いが違うだけで、建具自体の耐久性が違うわけではないからです。特に、古民家やアンティーク家具など古いものが好きな方なら、格子戸の経年による変化も味わいとして楽しめるかと思います。

ただし、室内用の格子戸を外部扉として使うなら、防犯性や気密性の対策が必須です。その点については具体的な対策法を後ほどご説明しますので、参考にしてみてください。

格子の種類でメンテナンス性が違う?外部扉に使うなら縦格子戸がおすすめ

格子戸 門扉

外部で格子戸を使う場合、格子の向きでお手入れのしやすさに違いがあります。縦桟がメインの縦格子戸は雨水が自然と下へ流れ落ちますが、横桟が多い横格子戸や枡格子戸は、水が桟に溜まったまま汚れてしまいます。そのため、こまめに拭き掃除をしないときれいな状態を保つことができません。メンテナンスのしやすさを考えると、縦格子戸の方がおすすめです。

アンティークや中古の格子戸を、玄関など屋外で使う場合にやるべき防犯・気密性対策3つ

続いて、アンティークや中古の格子戸を、玄関や勝手口、門扉など外部扉として取り入れる場合の防犯・気密性対策についてご紹介します。古い格子戸を家の出入り口に使う場合、やはり防犯や気密性といった面で不安がありますよね。古い格子戸でも次の3点を押さえれば、安心して使用できますよ。

防犯のため、格子戸に新品の鍵を取り付けよう

格子戸 鍵

古い格子戸は、鍵が付いていないか、付いていても実用的でないので、新品の鍵を取り付けて使用してください。鍵の取り付けは、販売店で受け付けてくれる場合が多いので、まずはショップへ相談してみましょう。当店でも建具購入の際のオプションとして、鍵の取り付けを受け付けています。販売店で取り付けできない場合は、建具屋さんへ依頼するか、DIYが得意な方ならご自身でやってももちろんOKです。

注意点として、室内用の格子戸などで框幅が狭いものは、鍵の種類によっては取り付けられない場合があります。また、蔵戸のように建具の厚みがあるものは、既製品の鍵だと取り付けできないものもあります。その場合は、建具屋さんに特注で鍵を作ってもらわなければなりません。使いたい鍵に応じて、取り付け可能な框幅や厚みなどを事前に確認するようにしましょう。

防犯性や気密性を確保するため、古格子戸と新品建具と二重扉で取り入れる

格子戸 防犯

前章でお話ししたとおり、古い格子戸は現代物と比べて防犯性や気密性に劣ります。それをカバーするには、新品の鍵を取り付けることに加えて、古い格子戸と現代物の引き戸とで、二重扉にするのがおすすめです。

そもそも引き戸は、ドアのような開き戸タイプと比べて隙間が生じやすく、気密性に劣るのがデメリットです。特に無垢材が使われた木製建具は、古いものかどうかに限らず、木部が湿気や乾燥によって膨張・収縮するため、隙間風が発生してしまうことも。家の断熱性を重視したい方は、施工段階で対策しておくことをおすすめします。

頑丈な作りの格子戸を選ぼう。ガラス交換など防犯性を高めるリメイクも有効

玄関前 格子戸

玄関など外部で使う格子戸を選ぶ場合、できれば室内で使われていた格子戸ではなく、蔵戸や門扉として使われていた格子戸を選びましょう。蔵戸や門扉なら頑丈な作りのものが多いので、耐久性や防犯の面で安心です。

また、ガラス面が広い格子戸を使いたい場合は、もともとのガラスを防犯ガラスに入れ替えるのもおすすめです。当店でもオプションとしてガラスの入替えを受け付けています。商品によって入替えができるかどうかや、加工費が異なりますので、気になる建具があればお気軽にお問い合わせください。

続いて、室内で格子戸を使う場合についてお話しします。

室内で格子戸を使うなら、古建具でも制約なし!格子や帯のデザインに注目して選ぼう

屋内 格子戸

室内建具の場合は、アンティークや中古品でも特に制約はありません。今までご紹介したような、デザインの種類や価格、作りなど、気になる点を重視して自由に選んでください。

格子戸と合わせて欄間を取り入れるなら、似たデザインのものがおすすめ

格子戸 欄間

和室や玄関に格子戸を使う場合、格子戸の上部に欄間を取り付ける場合もあるかと思います。新品だと欄間もセット販売されていることが多いですが、アンティークや中古品は単体で販売されているため、それぞれ選ばなければなりません。欄間をどんなデザインにするか迷ったら、格子が似たデザインのものを選ぶといいですよ。統一感が出て、空間がすっきりとおしゃれにまとまります。

最近では、欄間を取り付けるスペースがない場合でも、欄間を壁に飾ってアートのように楽しむ方も増えています。欄間は意匠に凝ったものが多いので、上質な和風の雰囲気を演出することができるアイテムとして人気です。壁に飾る場合は、似たデザインのものでもいいですし、彫刻や組子細工など個性的なデザインのものを選ぶのもおすすめです。インテリアのアクセントとして活躍してくれます。

和室の間仕切りなら、格子の衝立やパーテーションもあり

格子戸 衝立

和室の間仕切りとして格子戸を探している場合は、格子のデザインの衝立や、格子戸をリメイクしたパーテーションもおすすめです。背の高い格子戸と比べて、圧迫感なく空間を仕切ることができますよ。また、自立式だと簡単に移動もできるので、空間の自由度が高くなります。デザインは和風のシンプルなものから、大正ロマン風の華やかなものまで様々。インテリアに合わせて選びやすいのもうれしいですね。

リフォーム・リノベーションの参考に!格子戸を使ったおしゃれなインテリア例

次は、格子戸のインテリア例を種類別にご紹介していきます。和風、和モダン、レトロ、洋風といくつかのテイストをご紹介しますので、どんな部屋にしたいか想像しながら見てみてくださいね。

格子戸 杉

ちなみに格子戸は、同じ木製でも新品だと無塗装の色味のもの明るいものが主流で、アンティークだと深みのある濃い色合いのものが多いです。そのためインテリアテイストでいうと、新品は明るい和モダン風や和風、洋風の部屋に、アンティークの格子戸はシックな和モダン風や和風、古民家風などにおすすめです。これからご紹介するコーディネートは、すべてアンティークの格子戸を使ったものです。古いものならではの味のある格子戸がたくさん登場しますので、じっくりお楽しみください。

縦格子戸を使ったインテリア例。シックな純和風や和モダンテイストに

縦格子戸は、純和風や和モダン風のインテリアに人気の建具。古民家や町屋のリフォームやリノベーション、モダンな和風住宅など、和を中心とした空間づくりに使われることが多いです。

アンティークの縦格子戸でリフォーム。凛とした和モダンダイニング

格子戸 インテリア

ダイニングの引き戸として、ガラス帯入りの縦格子戸を取り入れたインテリア例。細い竪子やガラス帯越しにリビングとダイニングが見通せるので、部屋を仕切っていてもあまり圧迫感がありません。隣の部屋にいても家族の気配が感じることができます。

縦格子戸は、格子の太さや密度にもよりますが、正面から見ると向こう側が見え、角度を付けると見えなくなります。廊下を横切る時など何気ないときは、視線が遮られる作りです。

格子戸 光

夜になると、照明の効果で格子戸がより幻想的な雰囲気に。格子戸の美しい縦桟が浮かび上がり、シックで上品な印象が際立ちます。落ち着いた和の雰囲気に包まれて、ゆったりとした時間が過ごせそうですね。

シックな腰板付き格子戸で。古き良き和を楽しむ上質な和モダンダイニング

和室 リフォーム 格子戸

シックな縦格子戸を使った和モダンダイニング。こちらで使われているのは高めの腰板が付いたタイプで、しっかりと空間を分けるのに向いている格子戸です。竪子1本1本が太く厚みがあるため、斜めから見るとほぼ1枚の板のように見えます。プライベートな空間や落ち着いて過ごした場所にぴったりです。

燻されたような黒っぽい色の格子戸は、高級感のある和モダンインテリアにおすすめです。格式高い和風の印象を演出してくれます。また、暗めの色味の建具に、鮮やかなグリーンがよく映えています。植物の水々しさが際立って、お部屋に爽やかな印象をプラスしています。

縦格子戸でスタイリッシュに。男前なモダンリビング

格子戸 リビング

ガラス帯入りの格子戸を使った、リビングのコーディネート例。このお部屋では、和製アンティークの収納家具と北欧ビンテージのソファを組み合わせて使っています。どっしりとした和家具が目を引く、和モダンな男前インテリアです。

格子戸 内装

格子戸や和家具は直線的なデザインのものが多く、シンプルな北欧家具と相性よくまとまっています。ソファで色味を取り入れることで、程よくカジュアルさがプラスされ、リラックスして過ごせる空間になっています。

格子戸から射す光が印象的。ノスタルジックな古民家風レトロリビング

格子戸 平屋

ダイヤガラス帯入りの格子戸を使った、古民家風のリビング。周りの家具も古家具でコーディネートして、レトロな雰囲気にまとめています。味のある古い和家具と格子戸がよくマッチしていますね。

格子戸 建築

こちらの格子戸は、光が入ると縦桟とダイヤガラスが美しく浮かび上がり、よりノスタルジックな雰囲気に。直射日光をほどよく遮って、室内をふんわりと明るく照らしてくれます。くつろいで過ごしたいリビングにぴったりです。

格子戸 民家

日が暮れてくると、格子戸から射す光と影がだんだんと伸びていきます。こんな刻々と変化する光と影の美しさを味わえるのも、格子戸のデザインならではです。

万本格子戸を和室の間仕切りに。趣深い古民家インテリア

和室 襖 格子戸

アンティークの万本格子戸や帳場格子を間仕切りに使った、古民家風カフェ。畳の空間にアンティークのちゃぶ台や水屋箪笥を取り入れて、味わい深い雰囲気を演出しています。

格子戸 襖

万本格子戸は、建具の向こう側がうっすらと透けて見えるデザインで、格子戸越しでも奥行きが広く感じられます。ズラリと並んだ細い格子が美しく、光の透け方が繊細で上品な印象です。加えてこちらの格子戸は、腰板には欅材が使われており、太くしっかりとした横桟が入っているのも特徴的。繊細な格子と力強い木目や横桟のコントラストによって、より格子の精巧さが際立っています。

格子戸 部屋

格子戸は色が濃いほど、空間がシックで落ち着いた印象に。渋い色合いは畳の和室とも相性ぴったりです。格子戸越しに切り取られる風景が美しく、格子戸を開けたままにしておいても、絵になる一品です。

横格子戸を使ったインテリア例。レトロや和風テイストに

続いては、横格子戸を使ったインテリア例をご紹介します。横格子戸は、レトロテイストや和風のインテリアに人気の建具。温かみのあるノスタルジックな雰囲気が持ち味です。

横桟格子戸を使った、温かみあふれるレトロなリビングダイニング

格子戸 引き違い

シンプルな横格子戸を取り入れた、リビングダイニング。横桟が少なくガラス面が広いデザインで、明るくて温かみのある空間を演出しています。格子戸自体の存在感があまりないため、素朴な古家具たちが主役のお部屋にぴったりです。

格子戸 メリット

こちらの格子戸は、レトロなダイヤガラスとモールガラスが入ったデザイン。どちらもモザイク性が高いデザインなので、目隠ししたい場所のパーテーションに便利です。縁側や窓辺で使う場合も、カーテンなしでも外からの視線を遮ることができます。

結霜ガラス入りの横格子戸で。和風のレトロなダイニング

格子戸 家

腰板付きの横格子戸をパーテーションに使った、レトロなダイニング。古い木の風合いと、結霜ガラスがよくマッチして、和風の温かな雰囲気を作り出しています。ガラス面が広い腰板なしの横格子戸と比べて、腰板がある分、木の温かみを感じられるのが特徴です。レトロな雰囲気作りに活躍します。

格子戸 昭和

こちらの横格子は、格子の上下にすりガラスが入っていて、向こう側はほぼ見えないデザインです。寝室や書斎などプライベートな空間と隣り合っている場所にちょうど良いですね。また、すりガラスはうっすらと白く、壁と同化しやすいので、部屋を明るくすっきりと見せてくれます。

枡格子戸を使ったインテリア例。和室や和モダン空間に

枡格子戸は、縦格子戸と同じく和風や和モダンスタイルに人気の建具。縦格子戸と比べて採光性が高く、明るい和風空間を演出できます。また、新品の枡格子戸だとモダンな洋風住宅にも合うものも多いです。

昔ながらのマス目格子戸が印象的。ゆったりくつろげるレトロな和室リビング

マンション 和室 格子戸

まるでおばあちゃん家のような、のんびりとくつろげる和室のインテリア。廊下との間仕切りに、レトロな枡格子戸が使われています。この枡格子戸は、もともと障子戸だったものをリメイクしたアイテム。障子の代わりにすりガラスが入っていて、採光性はそのままにメンテナンスしやすい作りになっています。

帯ガラスには模様入りのガラスが使われています。格子戸の向こう側が昼間のように明るいと模様がわかりにくいですが、夜になって暗くなるとはっきりと模様が浮かび上がります。どこか温かみのある、レトロなデザインが味わい深いですね。

日本家屋 格子戸

格子戸周りは、和製アンティーク家具でコーディネート。収納棚の引き戸には、格子戸とお揃いの縦横の格子模様が入っていて、お互いにしっくりと馴染んでいます。

変わり型格子戸を使ったインテリア例。デザイン次第で和風にも洋風にも

変わり型格子戸は、和風のデザインのものと、ペイントして洋風にリメイクされたものがあります。和風のアイテムは、特にレトロスタイルや古民家インテリアに人気です。和風と洋風、それぞれのインテリア例をご紹介します。

変わり型格子戸でレトロさアップ。吹寄せ格子戸を使った古民家風ダイニング

格子戸 マンション

変わり型の吹寄せ格子戸を使った、古民家風のダイニング。シンプルな格子戸とは一味違う、リズミカルな格子模様が目を引きます。変わり型の格子戸だと、それほど和風の要素が強くないため、このお部屋のような洋風のレトロなダイニングセットとのコーディネートも楽しみやすいですよ。

格子戸 模様

吹寄せ格子戸は、ガラス面が広いデザインが多く、室内にたっぷりと日の光が入ります。家族で過ごすダイニングやリビングなどにぴったりです。

また、古民家インテリアは少し暗めのシックな雰囲気が定番ですが、家やマンションの簡易的なリフォームではなかなかハードルが高いことも。そんな時は、このお部屋のように白い壁の明るい空間に古家具をコーディネートした、ライトな古民家風インテリアもおすすめです。現代的な住宅やマンションをリフォームする場合でも挑戦しやすいですよ。

色ガラスとペイントでリメイク!洋風の格子戸を取り入れたエレガントなダイニング

格子戸 洋風 リメイク

最後にご紹介するのは、洋風にリメイクした格子戸を取り入れた、エレガントなダイニング。かつて和風だった姿が想像できないくらい、洋風の華やかなデザインがしっくりきています。こちらの格子戸は、ガラス部分に青色ガラスをアクセントとして取り入れて、さらにペイントで塗装したアイテム。同じく青い色ガラスが入ったフランスアンティークのキャビネットと相性がぴったりです。

格子戸 色ガラス

建具の枠は濃いネイビーでペイントされています。暗めのペイントカラーは空間を引き締めてくれる効果があり、メリハリの効いた高級感のある雰囲気を演出してくれます。シックなペイントカラーと明るいガラスとのコントラストがきれいですね。

古民家のリフォーム時におすすめ!思い出の建具を使った家具リメイクサービス

格子戸 家具

住宅や古民家などのリノベーションで新しい格子戸を設置する場合、もともと付いていた建具を処分しなければなりません。ですが、長く使っていて思い入れがあったり、和風の素敵な趣のある建具だと、捨ててしまうのはもったいなく感じてしまいますよね。そんな時は、ぜひ「アンティーク家具 ラフジュ工房」までご相談ください。古い格子戸を収納棚などにリメイクして使い続けることができる、古建具の家具リメイクオーダーを受け付けています。

格子戸 作成

例えばこちらは、古い縦格子戸を引き戸に使ってリメイクした収納棚。格子戸に合わせて棚部分を製作したものです。もとの建具の特徴である透かし模様をアクセントに、和風のインテリアにぴったりの佇まいに仕上がっています。建具の格子やガラスなどが傷んでいる場合でも、きちんとリペアして仕上げますので、元の姿から見違えるほど美しくなりますよ。収納棚の大きさは、建具のデザインにもよりますが、基本的には高さや幅、奥行き、棚板の数も自由にご指定いただけます。リフォームと合わせて、空間にぴったりと収まる家具が欲しい方におすすめです。

格子戸 ローボード

こんなローボードサイズの家具にもリメイク可能です。大きな建具だけでなく、欄間や窓など小さな建具でも基本的になんでもリメイクできます。また、お手持ちの建具がない場合でも、在庫にある格子戸や欄間などを使って、ご希望サイズの家具をお作りすることも可能です。お問い合わせいただければ、ご希望を伺ったうえで販売中の建具や仕上げ前のアイテムから条件に合うものをお探しします。

最後に

日本の伝統的な建具の中でも、特に人気の高い格子戸についてご紹介しました。格子戸は、新品からアンティーク・中古品まで種類が多いだけに選ぶのが大変かと思いますが、記事の中で紹介したポイントを踏まえながら、理想の格子戸を探してみてくださいね。

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