桐箪笥(桐たんす)の正しいお手入れ方法。基本からトラブル対処法まで丁寧に解説

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桐箪笥(桐たんす)の正しいお手入れ方法。基本からトラブル対処法まで丁寧に解説

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桐箪笥(桐たんす)のお手入れは、一般的な木製家具よりもちょっとした気遣いが必要です。

なぜなら、桐材は柔らかくて傷つきやすいうえ、とのこ仕上げや焼き仕上げなどの桐箪笥(桐たんす)は、塗装自体もとてもデリケート。日頃から正しい使い方をしなければ、すぐに汚れたり、塗装が落ちたりしてしまいます。

また、桐箪笥(桐たんす)は湿気や虫を寄せ付けないというイメージがありますが、環境によっては、カビや虫、匂いなどが付いてしまうこともあります。事態を悪化させないためにも、正しい知識をもとに対処しなければなりません。

そこでこの記事では、桐箪笥(桐たんす)の正しいお手入れ方法と、トラブルが発生した場合の対処法、事前の対策について解説していきますよ。中古家具屋として、様々なトラブルを抱えた桐箪笥(桐たんす)を修理してきた知識と経験をもとに、ご自身でできるお手入れと、プロに任せてほしい修理について詳しくお話しします。

桐箪笥(桐たんす)のお手入れや基本的な使用法は、一度頭に入れてしまえば、難しいことはありません。長くきれいに使っていけるよう、ぜひ目を通してみてくださいね。

Contents

桐箪笥(桐たんす)のお手入れ方法。仕上げ方法別に詳しく紹介!

桐箪笥(桐たんす)は、仕上げ方によってお手入れ方法が異なります。まずは、仕上げ方法ごとに、日常的なお手入れ方法と、汚れや傷が付いた場合のメンテナンス方法についてご紹介していきますよ。お手持ちの桐箪笥(桐たんす)がどの仕上げ方法か確認して、ぜひ実践してみてくださいね。

砥の粉(とのこ)・ロウ仕上げの桐箪笥(桐たんす)のお手入れ

昔ながらの桐箪笥(桐たんす)に最も多いのが、砥の粉(とのこ)を塗って、ロウで仕上げたもの。桐箪笥(桐たんす)の呼吸を妨げない伝統的な塗装で、桐箪笥(桐たんす)屋では、最もおすすめとされています。

ただ、砥の粉仕上げの桐箪笥(桐たんす)は、他の塗装と比べてかなりデリケートで、お手入れしにくいのがデメリット。綺麗さを長持ちさせるには、次のような方法でお手入れをしましょう。

日常的なお手入れ:水拭き厳禁!優しく乾拭きを。木部はできるだけ触らない

桐たんす 手入れ

砥の粉仕上げの桐箪笥(桐たんす)の普段のお手入れは、優しくホコリを払うのみです。柔らかい布で木目に沿って軽く乾拭きするか、ハタキを使ってホコリを優しく払いましょう

砥の粉仕上げは、塗装が落ちやすく、手垢も付きやすいので、日頃から極力木部に触れないようにすることが大切です。引き出しや扉を開け閉めする際は、金具のみにしか触れないようにし、掃除する際も力を入れないように注意しましょう。

桐たんす 手入れ法

また、水拭きしたり、化学雑巾を使ったりすると、塗装が落ちたり、変色する原因になります。絶対に使わないようにしましょう。

汚れや傷がついた場合のお手入れ:自分では修理不可。気になる場合は家具屋で修理を

桐たんす 中古 手入れ

砥の粉仕上げの桐箪笥(桐たんす)に汚れや傷がついた場合、残念ながら自分で修理することはできません

汚れを落として修復するには、水洗いや削り直し、再塗装をする必要がありますが、それらは特別な材料(※)と技術が必要です。そのため、数年、数十年と使って汚れが気になってきたら、プロへ修理(洗い・削り直し・再塗装)を依頼しましょう。

※一般的に販売されている砥の粉は、目止め(塗装の下塗りとして木材の隙間を埋める処置)をするための材料です。桐箪笥(桐たんす)の仕上げに用いられる、ヤシャブシの煮汁を混ぜて塗装する砥の粉仕上げとは異なりますので、ご注意ください。

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(左)砥の粉仕上げの修理前・(右)着色と蜜蝋ワックスで仕上げた修理後

砥の粉仕上げの桐箪笥(桐たんす)を修理に出す際には、実は、他の仕上げに変更することもできます。長年使って変色や傷みが目立ってきていたら、蜜蝋ワックス仕上げなど、よりメンテナンスが簡単な塗装にリメイクするのもおすすめですよ。

砥の粉は、言ってしまえば、泥を薄く綺麗に塗っているだけのものです。伝統的で高級感がありますが、他の塗装よりもカビが生えやすく、メンテナンスも大変です。当店では、昔ながらの桐箪笥(桐たんす)にこだわりがある方以外にはおすすめしていません。

焼き仕上げの桐箪笥(桐たんす)のお手入れ

砥の粉仕上げと並んで、伝統的な桐箪笥(桐たんす)の仕上げとして人気なのが、焼き仕上げの桐箪笥(桐たんす)。その名の通り、桐箪笥(桐たんす)の表面を焦がして焼き色を付け、砥の粉やロウ、オイルなどを塗って仕上げる方法です。基本的には、砥の粉仕上げの桐箪笥(桐たんす)とお手入れ方法は同じです。

日常的なお手入れ:水拭き厳禁!優しく木目に沿って乾拭き

焼桐たんす 手入れ

焼き桐箪笥(桐たんす)をお手入れする際は、先ほどと同じく、優しく木目に沿って乾拭きするか、ハタキを使ってホコリを優しく落としましょう。仕上げとして砥の粉やロウ、オイルなどが塗布されているため、強く拭いたり、水拭きしたりすると、それらの塗装が落ちてしまいます。ご注意ください。

また、砥の粉仕上げと比べると、色味が暗いため、汚れや手垢などが目立ちません。ただし、塗装が落ちるとムラになってしまうため、できるだけ木部に触れないようにしましょう。

汚れや傷がついた場合のお手入れ:プロへ修理依頼を

焼桐箪笥 手入れ

焼き仕上げの桐箪笥(桐たんす)も砥の粉などを使用しているため、汚れや傷が付いた場合、自分で修理するのが難しいです。傷みが気になる場合は、専門業者へ修理を依頼しましょう。

焼き仕上げの桐箪笥(桐たんす)は、修理するのに水洗いや削り直しをしても、焼き色が深く浸透しているため、元々の明るい色合いには戻りません。そのため、修理後も再びダークな色合いの焼き仕上げにするか、暗い色合いを活かしたワックス・オイル仕上げやウレタン塗装などにすることになります。

蜜蝋ワックス・オイルフィニッシュなどの桐箪笥(桐たんす)のお手入れ

蜜蝋ワックスやオイルフィニッシュは、近年、桐箪笥(桐たんす)に人気の塗装です。砥の粉や焼き仕上げよりも、汚れにくく、塗装が落ちにくく、メンテナンスが簡単で、桐材の呼吸を妨げることもありません。天然木の風合いを活かして、しっとりと温かみのある木肌に仕上がります。当店でもおすすめしている塗装です。

日常的なお手入れ:柔らかい布で乾拭きが基本

桐箪笥 メンテナンス

蜜蝋ワックスやオイルフィニッシュの桐箪笥(桐たんす)は、日頃は乾拭きでお手入れします。柔らかい布やハタキを使って優しくホコリを払うだけでOKです。

蜜蝋ワックス・オイル仕上げの桐箪笥(桐たんす)は、砥の粉仕上げと違って、触った程度では塗装が落ちたり、汚れたりしないので、使う際もそれほど神経質にならなくて大丈夫です。ちょっとした汚れなら、乾拭きで楽に落とすことができますよ。

反対に、強くこすると塗装が剥がれたり、桐箪笥(桐たんす)の表面が傷ついたりするので、注意しましょう。

桐箪笥 オイルフィニッシュ

蜜蝋ワックスやオイルフィニッシュは、撥水性のある仕上げです。そのため、汚れが気になる際には、固く絞った布巾などで水拭きすることもできますよ。ただ、水拭きすると徐々にワックスやオイルが落ちてくるため、普段は乾拭きが基本です。また、水気を放置しておくとシミになる可能性があるので、早めに拭き取りましょう。

汚れや傷がついた場合のお手入れ:自分で再塗装してメンテナンスできる

桐たんす メンテナンス

蜜蝋ワックスやオイルフィニッシュの桐箪笥(桐たんす)は、汚れた際には固く絞った布巾で水拭きができますが、洗剤や化学雑巾などを使うと、塗装が落ちたり、シミになる可能性があります。使わないようにご注意ください。

桐たんす 再塗装

また、傷がついてしまった場合は、上からワックスやオイルを再塗装すれば、ほとんどの傷は目立たなくなります。着色されているものなら、同じ色で着色したうえでワックス、着色なしのものならワックスやオイルのみを再塗装して補修すると、簡単に馴染みますよ。

蜜蝋ワックスやオイルフィニッシュの木製家具は、傷消しの方法として、ヤスリ掛けしたり、水分を含ませてアイロンを当てたりする方法がよく紹介されていますが、当店の経験上はおすすめしません。桐箪笥(桐たんす)の場合、ヤスリ掛けした部分だけ変に目立ったり、水がシミになって残ってしまったりする可能性が高いからです。

桐たんす 傷 補修

当店で桐箪笥(桐たんす)の傷消しをする際は、全体を削り直したり、埋め木をしたりと、傷の状態に応じて手間をかけて補修しています。DIYで補修するには失敗するリスクが大きいため、ある程度の傷はしょうがないものとし、長く使って傷が増えてきたら、専門業者に修理を依頼するのがおすすめですよ。

プロの手にかかれば、傷や汚れはきれいに消えて、新品同様にリフレッシュできます。また希望によっては着色などでリメイクすることもできます。

ウレタン塗装、カシュー塗り、漆塗りなど耐水性のある桐箪笥(桐たんす)のお手入れ

ウレタン塗装やカシュー塗り、漆塗りの桐箪笥(桐たんす)は、他の塗装と比べるとあまり目にしませんが、実はメンテナンス性に優れた使い勝手の良い塗装です。なにかとデリケートなイメージがある桐箪笥(桐たんす)ですが、これらの塗装なら特別なお手入れは必要なく、扱いが楽です。

日常的なお手入れ:乾拭きでも水拭きでもOK

桐タンス メンテナンス

漆塗りの箪笥

ウレタン塗装、カシュー塗り、漆塗りの桐箪笥(桐たんす)は、防汚性や耐水性に優れた塗膜を形成するため、乾拭きでも水拭きでも掃除ができます。基本的には、乾拭きで簡単に汚れが落とせます。特に汚れが気になった時にだけ、固く絞った布巾で水拭きするといいでしょう。また、化学雑巾はシミになる可能性があるため、使わないようにしましょう。

これらの塗装は、他の塗装と比べて耐久性も高いのが魅力。故意に傷つけたりしない限りは、何十年と特別なメンテナンスなしに使うことができます

汚れや傷がついた場合のお手入れ:プロへ修理依頼を

桐たんす 掃除

ウレタン塗装やカシュー塗り、漆塗りの桐箪笥(桐たんす)は、水拭きで取れない汚れが付着した場合、中性洗剤を使って掃除することができます。中性洗剤を水に薄めて布に含ませ、固く絞ってから拭いていきます。汚れが落ちたら、水拭きして完全に洗剤を取り除き、最後に乾拭きしましょう。

また、これ他の塗装は、汚れや傷が付きにくい塗装ではありますが、それでも汚れや傷がついた場合は、自分で修理することができません。職人へ再塗装を依頼する必要があります。

無塗装の桐箪笥(桐たんす)のお手入れ

桐箪笥(桐たんす)は、基本的に何かしらの塗装がされていることが多いですが、中には無塗装で仕上げた桐箪笥(桐たんす)もあります。無塗装の桐箪笥(桐たんす)は、汚れや傷が付きやすいので、お手入れにも注意が必要です。

日常的なお手入れ:柔らかい布で優しく木目に沿って乾拭き

桐たんす 無塗装

無塗装の桐箪笥(桐たんす)は、普段は柔らかい布やハタキを使って、優しくホコリを落としましょう。柔らかく傷付きやすいので、乾拭きする際は、木目に沿って軽く拭くのがポイントです。水拭きは、シミの原因になるため、しないようにしましょう。

汚れや傷がついた場合のお手入れ:多少の汚れ・傷は仕方なし

桐たんす 白木

無塗装の桐箪笥(桐たんす)は、塗膜によって保護されていないため、汚れや傷がつきやすいです。さらに、乾燥による割れや、日焼けによる変色、タンニンという桐材に含まれる物質による変色なども起こりやすいです。

無塗装だとワックスなどで補修するのも難しいので、ある程度の変化は、経年による味わいとして楽しむ心持ちが必要ですよ。傷や汚れをヤスリ掛けしたり、水分を含ませて凹みを直そうとすると、そこだけ変色する可能性が高いので、やめておきましょう。

桐箪笥(桐たんす)を全体的にリフレッシュしたい場合は、専門業者へ修理を依頼したり、塗装などをしてリメイクするのもおすすめです。無塗装の桐箪笥(桐たんす)は、DIYでの塗装リメイクも比較的簡単にできます。

桐たんす 白木仕上げ

また、当店では「ストリップド仕上げ」という、全体を削り直して無塗装で仕上げるリメイクも受け付けています。変色や傷などが気になる古い桐箪笥(桐たんす)でも、まっさらで美しい木肌に再生できますよ。白木仕上げが好きな方は、ぜひご利用ください。

桐箪笥(桐たんす)の金具のお手入れ:乾拭きで十分!留め具が緩んできたら締め直しを

桐たんす 金具 手入れ

桐箪笥(桐たんす)の金具は、特別なお手入れは必要ありません。普段、木部を乾拭きする際に、同じく乾拭きすればOKです。また、手垢などの汚れが気になる場合は、固く絞った布巾で水拭きし、最後に乾拭きして仕上げると綺麗になりますよ。

桐箪笥 金具 締め直し

また、長年使用して金具の留め具が緩んできたら、しっかり締め直しをしましょう。基本的には、金具の裏側にあるナット隠しを外して、ナットを締め直せばOKです。

桐箪笥 金具 修理

留め具が割りピンの場合は、ペンチなどで引っ張って締め直しましょう。古い桐箪笥(桐たんす)などで、締め直し方がわからない場合は、購入店や専門業者へご相談ください。

こんな時どうする?桐箪笥(桐たんす)のトラブル対処法

桐箪笥(桐たんす)は、いくら上等なものでも、置かれる環境や使い方によっては、カビや虫などのトラブルが発生します。大切な衣類を守るためにも、トラブルを発見したら、早急に正しく対応しましょう。

桐箪笥(桐たんす)にカビが発生:まずは乾拭きで掃除。ひどい場合は店舗へ修理を依頼

桐たんす 手入れ カビ

桐箪笥(桐たんす)に最も多いのがカビのトラブル。湿気に強いと言われる桐箪笥(桐たんす)ですが、湿気が多い場所に長く置いていたり、湿った服をそのまま収納したりすると、タンスの外側や内側にカビが生えることがあります。

桐たんす カビ

桐箪笥(桐たんす)にカビを発見したら、まずは柔らかい布で乾拭きしましょう。そして、対処法を購入店や専門業者へ相談しましょう。

塗装方法によって、乾拭きだけで様子を見るか、水拭きや消毒用アルコールなどを使って掃除をするか、対処法が異なります。軽度のものなら、乾拭きで進行を抑えることができます。

基本的にカビへの対処法は、乾拭きして様子を見るか、ひどい場合には職人に依頼して、全体を削り直したり、新材で交換するしか方法がありません。自分で対処するには限界があります。自分なりに試行錯誤していると、さらに状況が悪化する可能性もあるので、遠慮せず早めにプロへ相談しましょう。

桐箪笥(桐たんす)が変色してきた:桐材の性質上、避けられません。削り直すか、着色リメイクを

桐たんす 変色

桐箪笥(桐たんす)は、使ううちに赤茶や黒っぽく変色する性質があります。これは、桐材に含まれるタンニンという物質が原因。空気に触れるうちに、自然と変色します。丁寧にアク抜きをした桐箪笥(桐たんす)は、この変色が現れるのが遅いとも言われますが、どんなに高級な桐箪笥(桐たんす)でもいずれは変色してしまうんです。

桐箪笥 変色

左が修理前・右が削り直し・着色仕上げ後

桐箪笥(桐たんす)の変色を修理するには、専門業者へ削り直しを依頼するしかありません。もしくは、初めから暗めの色合いに着色しておくと、変色を目立たなくすることができます。ある程度は、経年変化による味わいとして楽しんでいただければと思います。

桐箪笥(桐たんす)の引き出しがきつい:換気対策+シリコンスプレーを塗布。無理に開けないよう注意

桐箪笥 引き出し 修理

桐箪笥(桐たんす)は、湿気が多いと膨張するため、引き出しや扉が開閉しにくくなります。引き出しが開かない場合、力任せに開けようとすると金具が外れる可能性があるため、無理は厳禁です。まずは部屋を換気したり、エアコンや除湿機などで除湿をして、湿気を逃しましょう。

引き出しが開く場合は、タンスのレール部分など、引き出しとタンスが接触する部分に、シリコンスプレーを塗布するのがおすすめです。シリコンスプレーとは、いわゆる潤滑剤。スプレーした箇所にシリコン被膜を作るため、滑りが格段に改善します。木製家具を始め、建具や機械、工具など、あらゆるものに使えますよ。当店でも愛用しているアイテムです。

桐タンス 引き出し 開かない

それでも改善しない場合は、購入店や専門業者へ相談して、引き出しを削るなどして調整してもらうことになります。購入してすぐの場合は、初期不良として対応してくれる場合もありますよ。また、長年使っている場合は、構造自体が歪んでいる場合もあるので、削り直しと合わせて全体的な修理を依頼するといいでしょう。

桐箪笥(桐たんす)に虫食いが発生:木製家具用の殺虫スプレーで対処。ひどい場合は店舗へ修理を依頼

桐箪笥 虫食い

桐箪笥(桐たんす)は虫にも強いと言われますが、環境によっては外から虫が侵入することがあります。桐箪笥(桐たんす)に小さな穴が空いていて、木屑が出ていたら、虫がいる可能性大です。被害が広がる前に、早急に対処しましょう。

桐箪笥(桐たんす)の虫食いには、木製家具用の殺虫スプレーを使うのがおすすめです。穴にノズルを差し込んでスプレーするだけで、簡単に殺虫することができます。

スプレー後は、しばらく様子を見て、木屑が出なくなるまで定期的に駆除しましょう。期間をおいても木屑が出なくなったら、もう大丈夫です。仕上げとして、穴を木工補修用粘土で埋めると、見た目にも綺麗に補修できます。

桐たんす 虫

もし、虫食いの被害が広がっていて、木部がボロボロになっていたり、強度が弱くなっている場合は、専門業者へ修理を依頼して、新材で交換するしかありません。どうすべきか判断に迷う場合も、専門業者へ相談してみましょう。

桐箪笥(桐たんす)の臭いが気になる:長時間風当てて消臭。ひどい場合は新材に交換するという手も

桐たんす 臭い

桐箪笥(桐たんす)は、香水や化粧品、樟脳(防虫剤の一種)など、匂いの強いものを収納しておくと、タンス内に匂いが移ってしまいます。匂いトラブルは、未修理の中古桐箪笥(桐たんす)や、漂白剤を使った安価な新品桐箪笥(桐たんす)などに多く、購入する際には注意が必要です。

もし、購入してから不快な臭いに気づいたら、強い臭いを取り除くのはなかなか難しいので、返品するのも一つの方法です。返品ができない場合や、それでも使い続けたい場合は、次の方法で消臭するのがおすすめですよ。

  1. 桐箪笥(桐たんす)の臭いのある部分を丁寧に拭き掃除する
    臭いが付いている引き出しなどを取り出し、固く絞った雑巾で水拭きします。

    もし、内側が無塗装なら、中性洗剤を水で薄めて、雑巾に含ませて拭いてもOKです。ただし、中性洗剤を使う場合は、はじめに目立たない箇所で試し拭きして、変色がないか確認してから使いましょう。中性洗剤で拭いた後は、水拭きして綺麗に洗剤を取り除いてください。

    砥の粉仕上げや焼き仕上げの桐箪笥(桐たんす)の場合、拭き掃除をする際に表側に水や洗剤がつくと、塗装が落ちたり、シミになったりします。誤って表側を拭いてしまわないように注意しましょう。

  2. 日の当たらない風通しの良い場所で、風を当て続ける
    拭き掃除が終わったら、引き出しなどを日陰の風通しの良い場所に置き、扇風機で風を当て続けましょう。少なくとも20〜30時間、それでも臭いが取れない場合は1週間ほど、気長に風を当て続けてください。これで、ある程度の臭いは気にならなくなります。

ちなみに、手っ取り早く、消臭スプレーなどを使用したくなるかもしれませんが、当店の経験上は効果がなく、シミの原因にもなります。使用しないようにご注意ください。

トラブルを防ぐために。桐箪笥(桐たんす)の基本的な使い方を押さえよう

桐箪笥(桐たんす)は、正しい使い方とお手入れをすれば、トラブルを未然に防ぐことができます。基本的な使用法をまとめましたので、目を通してみてくださいね。

桐箪笥(桐たんす)を設置する際の注意点

桐箪笥(桐たんす)は、次の5点に注意して設置するのが基本です。桐箪笥(桐たんす)に限らず、他の木製家具に当てはまることも多いので、こちらを参考に家具の置き方を見直してみてくださいね。

桐箪笥(桐たんす)は床に水平に置く。畳の縁などに注意

桐たんす 置き方

桐箪笥(桐たんす)は、床に水平に置きましょう。畳の縁やカーペットなどを踏んで、傾いたまま設置してしまうと、少しずつ構造に歪みが発生してしまいます。これは、桐箪笥(桐たんす)も他の家具も同じです。ひどい場合には、扉や引き出しが開けにくくなることもあるので、ご注意ください。

桐箪笥(桐たんす)の上に重いものを置かない

桐箪笥 テレビ台

桐箪笥(桐たんす)は、天板に重いものを置くことを想定して作られていません。本やテレビなど、重量のある物を載せてしまうと、天板がたわんだり、引き出しや扉が開けにくくなったりしてしまいます。

上に物を載せて使いたい場合は、天板が補強された桐箪笥(桐たんす)を購入するか、当店のようなリメイク業者に天板を補強するリメイクを依頼しましょう。

冷暖房の風や日光が直接当たる場所には置かない

桐箪笥 置き方

桐箪笥(桐たんす)をはじめとした無垢材製の木製家具は、湿気や乾燥によって木が収縮する性質があります。そのため、冷暖房の風や直射日光が当たる場所に置くと、木が乾燥して割れてしまう可能性があります。

また、窓際など結露が発生する場所や、キッチンや浴室、倉庫など湿気が溜まりやすい場所に置くと、木が膨張して引き出しが開けにくくなったり、カビが発生したりする可能性があります。

できるだけ、湿気や乾燥の影響が少ないところに設置しましょう。

壁から5〜10cmほど離して置くと湿気が溜まりにくい

桐タンス カビ

桐箪笥(桐たんす)は、壁にぴったりと付けておくと、壁側に湿気が溜まりやすくなくなってしまいます。そのため、壁から5〜10cm程度離して置くのがベストです。

特に、クローゼットの中などに置く際は、タンス周りに空気の通り道を確保し、除湿剤などを置くようにしましょう。

変色をできるだけ防ぎたいなら、ゆたん(カバー)を使用

桐箪笥(桐たんす)は、砥の粉仕上げのものは汚れが付きやすく、塗装が落ちやすかったり、明るい色のものは日に焼けやすかったりと、なにかとデリケートな家具です。できるだけ変色や傷を防ぎたければ、ゆたんを使用するという手もありますよ。

ゆたんとは、桐箪笥(桐たんす)をすっぽりと覆う布製のカバーのことで、桐箪笥(桐たんす)屋などで販売されています。特に小さなお子様やペットがいるお宅など、いたずらや傷、汚れなどが心配な方に人気です。

ただ、ゆたんは付けっぱなしの状態では湿気が溜まりやすく、引き出しの開け閉めがしにくくなるというデメリットもあります。カビの発生を防ぐためにも、カラリと晴れた日には、ゆたんを開けて空気を入れ替えるようにしましょう。

また、ゆたんを使わなくてもいいよう、メンテナンスしやすい塗装にリメイクするのもおすすめです。

桐箪笥(桐たんす)を使う際の注意点

続いては、桐箪笥(桐たんす)の基本的な使い方についてご紹介します。桐箪笥(桐たんす)は保管性の良い箪笥ではありますが、良い環境で収納するには、ある程度の気遣いも必要です。次の4点に気をつけてお使いください。

防虫剤や除湿剤を使う。桐箪笥(桐たんす)をクローゼットに入れる場合は特に注意

桐たんす 着物 しまい方

桐箪笥(桐たんす)に着物や洋服を収納する際は、衣類用の防虫剤や乾燥剤を使いましょう

桐箪笥(桐たんす)は、気密性が高いタンスではありますが、虫が入ったり、湿気が溜まってしまったりすることもあります。特に、着物を収納する場合は、桐箪笥(桐たんす)頼りにせずに、着物を守る防虫剤などのアイテムを活用することが大切です。

着物の収納方法については、「後悔しない着物箪笥の選び方!自分好みの和服箪笥を手に入れよう」でより詳しくお話ししていますので、ぜひそちらもご覧ください。

部屋を適度に換気して、桐箪笥(桐たんす)に湿気が溜まるのを防ぐ

桐たんす お手入れ

桐箪笥(桐たんす)は湿気が溜まりにくい場所に置くことに加えて、定期的に換気するように心がけましょう

晴れた日にホコリを落とすついでに、部屋の窓を開けたり、引き出しを開けたりして、空気の入れ替えをするのがおすすめです。こうすると、桐箪笥(桐たんす)周りや箪笥内に湿気が溜まったままになるのを防ぐことができます。

濡れた服などをそのまま引き出しに収納しない。カビや虫の原因に

桐たんす カビとり

桐箪笥(桐たんす)は、気密性が高いため、濡れた服をそのまま収納すると、湿気が箪笥内にこもってしまいます。これは、カビや虫が好む状態。いつの間にか、衣類も箪笥も傷んでしまう可能性大です。

特に着物を収納する際は、しっかり風通しをしたり、汚れを落としたりして、完全に乾燥した綺麗な状態にしてから収納しましょう。洋服の場合も、生乾きのまま収納したりせず、十分に乾燥させてからしまいましょう。

桐箪笥(桐たんす)に着物を収納する場合、虫干しなど基本的な手入れを怠らない

桐たんすカビ除去

桐箪笥(桐たんす)に着物を収納する際は、桐箪笥(桐たんす)が上等だからといって、虫干しなどの基本的なお手入れを怠っていると、いつの間にかカビや虫の被害が広がる可能性があります。

着物は、最低でも1年に1度、乾燥した晴天日に取り出して、風通しの良い場所で陰干ししましょう。こうして湿気を取り除くことで、着物も桐箪笥(桐たんす)も長くきれいに使い続けることができます。

最後に

桐箪笥(桐たんす)は、基本的なお手入れ方法と使い方を押さえておけば、何十年と使い続けることができます。ただし、桐材は、傷つきやすく、変色もする素材です。ある程度の変化は味わいとして楽しみながら使っていただければと思います。

また、10年、20年と使って傷や汚れが気になってきたら、ぜひ当店へ修理やリメイクをご依頼ください。当店は修理やリメイクを得意とする工房なので、箪笥屋に依頼するよりも安い価格で、高品質な桐箪笥(桐たんす)に仕上げることができます。見た目も使い勝手も、新品同様に再生できますよ。お見積もりは無料ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

当店の修理については「桐箪笥(桐たんす)修理・再生の実例と価格、業者選びのコツ!古箪笥が新品同様に」、リメイクについては「桐箪笥(桐たんす)をリメイクして好みの家具に!プロのリフォーム例と価格を紹介」の記事で詳しくご紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。

 

 

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桐箪笥 1段

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当店では、桐箪笥を元の姿に再生する修理だけでなく、デザインやサイズを作り変えるリメイクも大変好評頂いています。「桐箪笥を分割してローボードに」「全体をペイントして洋風の可愛らしいチェストに」など、どんなご希望も歓迎です。見た目も使い勝手も大満足の家具に生まれ変わります。

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